新築で注文住宅を検討している方は、どのような玄関にしようか迷っているのではないでしょうか。
玄関は家の第一印象を決める大切な場所です。
内装に合わせておしゃれな玄関を作りましょう。
本記事では、どのような玄関にするか迷っている、おしゃれにこだわりたい方も参考になる7つのポイントをご紹介します。
目次
玄関で力を入れているポイントは収納や防犯
新築の玄関を考える際、外装とのバランスや見た目のデザイン、機能性などありますが、自分が何を優先して作りたいのかが大切です。
注文住宅を建てる場合、多くの方は間取りや内装を重視します。
インテリアや生活動線など、決めなければいけないことはたくさんあり、玄関は後回しにされがちです。
部屋に入ってしまえば長く滞在しない場所ですが、お客様を迎えるスペースでもあり、家族が帰宅して、最初にほっとする場所です。
小さなスペースですが、住宅の顔に当たる玄関は収納や防犯なども押さえつつ満足度の高い間取りにしましょう。
玄関を決める際に押さえておきたい7つのポイント
玄関は人が出入りする場所のため、人を自然に迎え入れられる環境にしましょう。
ここでは、玄関を決める際に押さえておきたい、収納・広さ・空間・デザイン性・向き・屋根・防犯の7つのポイントを詳しくご紹介します。
ポイント1:収納は適切なものを選択
屋外で使用したものは、部屋には持ち込みたくない・玄関に収納したいと考える方が多いでしょう。
しかし、人が出入りする玄関に濡れた傘や靴などを置いてしまうと、散らかった印象を与えます。
整理整頓しスペースを確保するためにも、靴や傘など、こまごましたものを収納するスペースが必要になります。
靴や傘などを収納するだけであれば、シューズボックスと傘立てがあれば十分です。
人数が多い家庭や、アウトドア用品などを収納したい場合は、整理できる大型収納が必要になります。
玄関スペースも十分な広さが必要なため、収納目的に合わせて適切な大きさやデザインを選んでください。
ポイント2:標準で考えられている玄関の広さは約3畳(1.5坪)
必ずしも広い玄関が良いわけではありません。
玄関には標準の大きさがあり、3畳が目安です。
各家庭の人数によって玄関のサイズも検討が必要なため、2畳・3畳・4畳の順番で詳しく説明していきます。
2畳の場合
標準サイズよりも小さい2畳は、2〜3人家族に適切な広さです。
玄関(土間・たたき)とホールに1畳ずつ使い、一般的な靴箱を設置するとスッキリと収まります。
片側に置かず、両側に設置すると中心が広くなり見やすくなります。
賃貸などの玄関が、この2畳にあたるためイメージもしやすいでしょう。
玄関はスッキリさせたい、大きな収納は必要としない方であれば、十分な広さといえます。
ミニマムで洗練された空間が作れますから、部屋のスペースを大きく取りたい、少人数の家族向けです。
子供用の自転車やベビーカーなどを玄関先に置く場合、置き方などを工夫しないと狭く感じてしまうため注意しましょう。
部屋のスペースを大きく取りたい、少人数の家族向けです。
3畳の場合
一般的な玄関の広さは3畳で、4〜5人家族向けの広さになります。
玄関をスマートに見せるには、シューズボックスは狭くし、ホールを広めにするといいでしょう。
標準的な広さですが、収納スペースを広くすれば玄関は狭くなるため、配分をよく考えてください。
視覚的には、縦よりも横に広がりがあるほうが奥行きを感じるようになり、使いやすくなります。
シューズボックスの上に観葉植物やインテリアを飾ったり、お気に入りのシューズを陳列したりと見せる収納が楽しめるでしょう。
また、シューズボックスの上部に収納棚を取りつければ、趣味の道具なども片付けられます。
玄関をスッキリさせるための収納棚か、見せることをメインにするかでも、サイズや配置が異なります。
どのくらいの量を収納するかで、決めるといいでしょう。
4畳の場合
4畳の広さがある玄関は、5人以上の大家族向けになります。
スペースを広く活用できるため、ディスプレイスペースを多く取っても圧迫感がありません。
見せる収納などで遊び心もプラスし、部屋の一部として玄関をレイアウトできます。
また、玄関を明るく広々とした空間にでき、絵や置物を飾るなどのインテリアにこだわることでお客様を快く招き入れられるでしょう。
玄関が広いと住宅全体もゆとりがあるように思えますが、反対に奥が狭く窮屈な印象を与える場合もあります。
他の部屋で使うはずのスペースが、玄関で取られてしまうため部屋が狭くなってしまうおそれもあります。
玄関を重視したい場合は、部屋数とのバランスを考えましょう。
4.5畳の場合
玄関に4.5畳の広さがあれば、玄関を自由にデザインし、収納スペースも十分に取れます。
家族が多いだけでなく、玄関をアートやディスプレイで飾りたい方や、バリアフリーを意識して出入りしやすい玄関を作りたい方に向いています。
車いすだけでなく手すりや杖で出入りする方のためにも、バリアフリースペースは広いほうが安心できます。
1人で移動できる方は4畳でも十分ですが、介助が必要な場合には広さに余裕のある玄関が理想です。
足腰が不自由な方は、座って靴を脱ぎ履きできる椅子や手すりがあると安心して動けます。
扉を引き戸にすれば、杖を持ちながら開きやすくなり、すぐに手すりがあれば部屋にもあがりやすくなります。
空間が広い分、イメージ通りに飾るのは大変になるため、ギャラリーのような玄関にしたいなどのイメージがない限り、この広さの活用は難しいでしょう。
ポイント3:開放感のある空間を作る
玄関は家に出入りするための大切な場所で、朝は1日の始まりを気持ちよく過ごせるよう、日の光が入ってくる明るい空間づくりが欠かせません。
開放感のある空間にすると、気持が前向きに明るくなるだけでなく、来客にも好印象を与えます。
賃貸のようにプライベート空間を守る場合には、ガラス部分がない扉が必要ですが、光が入らないと玄関が暗いだけでなく家全体が暗く見えます。
吹き抜けにしたり、窓やスリット窓を設置したりするといいでしょう。
玄関が南向きであれば、太陽光が入るため、毎朝気持よく出かけられます。
玄関が道路に面していたり交通量が多かったりする場合には、防犯の意味も含めて窓ではなく、鏡を置いたり天井を高くして解決できます。
ポイント4:機能性の高いデザインでおしゃれに
玄関は最初に目に入る場所になるため、デザインにこだわる方が多いでしょう。
もちろん見た目の美しさは大切ですが、機能面でも家族をサポートできるかが重要なポイントになります。
家族が出入りする場所ですから、誰もが安全に使えることが重要です。
段差がない・高齢者がいる場合には手すりや靴を履いたり脱いだりするための椅子も必要でしょう。
また、雨で濡れても滑りにくい床材にするなど、細かい部分もしっかりチェックしてください。
ベージュやホワイト系の玄関は明るく清潔な印象を与えますが、泥汚れが目立つため、掃除が大変です。
雨が続く季節は雨や泥で玄関が汚れやすくなり、滑りやすくなるためこまめなケアを必要とします。
機能性を考えれば、グレーやブラウンなど汚れが目だちにくく、落ち着いてシックなカラーを選びましょう。
ポイント5:玄関の向きは防犯にも繋がる
機能性やデザインが決まったら、明るく開放感のある玄関作りに欠かせない方角も考えましょう。
どの方向が良いかは、立地条件によっても異なるため、周囲の環境なども含めて検討します。
東の玄関は冬暖かく、夏は涼しいため好まれる方もいますが、リビングが若干暗くなるのはデメリットです。
南や西向きは光が入りますが夏場は熱く、北向きは冬場が寒くなるなど、各方角でメリットはありますがデメリットも同時に存在します。
方角は、家族が快適に生活できる場所を中心に考えてみましょう。
玄関が道路に面しているほうが防犯対策になるため、防犯カメラの設置も含め検討してみてください。
ポイント6:屋根をつけると雨避けができる
外観をスッキリと見せるためには、玄関に屋根がないほうがスタイリッシュです。
大きな屋根ではありませんし、雨雪から守るだけなら傘があれば十分と考える方もいるでしょう。
屋根があることで太陽光はやわらぎ、暖かな光として玄関に差し込んでくれます。
また玄関を強調するデザインにもなるため、住宅全体のバランスが良くなるメリットもあります。
屋根がない玄関は、開けると雨風が入り込んでしまい、玄関ポーチが汚れてしまいます。
注文住宅の場合には、細かいデザインも自分たちで決められるため、機能性向上の観点からも設置を検討しましょう。
玄関の屋根は1m以内が条件のため、住宅のバランスや玄関の広さを考え決めます。
雨や雪が多い地域では、耐久性を重視した瓦や銅板を使用し、デザインなら化粧スレートがおすすめです。
ポイント7:ポストやインターホンの位置も重要
郵便や宅配など、玄関は家族以外も利用する場所になります。
ポストやインターホンは、玄関先に設置されるケースが多いようですが、そうなると知らない方も玄関前まで入ってきます。
子供だけで留守番している、昼間は高齢者しかいない場合では、防犯の面でも不安です。
柵や壁を利用し、離れた位置につくることで、玄関との間に距離がとれ防犯対策になります。
勝手に敷地に入られないようにすると「この家は防犯対策がしっかりしている」と思わせられます。
宅配ボックスを利用する場合には、置き場所なども考えて、どのように住宅を建築するかを考えましょう。
おしゃれさを出したいならポスト選びは慎重に
ポストのデザインも多様化し、従来のデザインに加えて独立タイプも人気があります。
デザイン、カラーバリエーションも豊富なため好みのポストを選びましょう。
独立したポストは、設置場所を自由に決められるため、玄関まで導線が長い住宅におすすめです。
玄関横や門に設置するタイプは、シンプルで名前が確認しやすいデザインが良いでしょう。
シンプルなデザインのほうが、配達する側はわかりやすいため、確実に郵便や荷物が届きます。
あまりデザインにこだわってしまうと、ポストに大きな郵便物が入らなくなります。
この場合、インターフォンで呼び出さなければならなくなり、配送業者側の時間を取ってしまいます。
防犯だけでなく玄関を彩るポストは、設置場所に合わせて適切なものを選びましょう。
玄関ドアも全体のデザインを決めるうえで欠かせないポイント
玄関の間取りやデザインだけではなく、ドアにもこだわるとよいでしょう。
ドアを見れば、防犯対策が十分かどうかもわかるため、デザインと機能を兼ね備えたものを選んでください。
ここからは、セキュリティ、断熱性、ドアの開き方について解説します。
セキュリティにこだわりたい
防犯対策として、玄関ドアはセキュリティがしっかりしたものを選びしましょう。
セキュリティ対策の鍵として以下のものがあります。
・鍵穴2箇所の玄関ドア
・ディンプルキー
・オートロック
・電子キー
鍵穴2箇所の玄関ドアは面倒な一面はありますが、鍵を開けるまでに時間がかかるため、空き巣などが嫌がります。
防犯カメラも設置すれば、さらに防犯効果が高まるでしょう。
また、ディンプルキーは、小さなくぼみが付いている鍵のため一致しないと開かない仕組みになっています。
ピッキングに強く、高い防犯性があるため、空き巣などから家を守ってくれます。
閉め忘れ防止のためには、オートロックや電子キーにする方法もありますが、家族全員が使いやすいかを考えて決めてください。
断熱性を優先して日当たりを良くしたい
玄関は人が出入りするため熱が逃げやすい場所です。
夏は冷房を付けていても、日当たりがよい方角に玄関があると熱気が入ってきてしまい熱くなります。
玄関の断熱性を高めると、家全体の断熱効果が高くなるため光熱費の節約にもつながり、同時に気密性も高くなるため、夏は涼しく冬は暖かい家になります。
ただ、真夏以外でも日照が強く、暑い日があるため、断熱性の高いドアを選ぶなど対策を考えましょう。
断熱材は種類が多く、扉の厚みによっても断熱効果は異なります。
効果が高いものは高額になるため、予算内でおさまらなくなるケースも少なくありません。
快適な空間作りには、断熱効果のあるドアは欠かせないため、予算も含めて考慮してください。
ドアの開き方で選びたい
玄関は引き戸か開き戸ですが、そのなかでもさまざまな種類があります。
開く方向やスライド式など、家族が使いやすくスムーズに出入りできるドアにしましょう。
ドアの種類 | 特徴 |
片引きドア | ・扉は前後に開閉するため、開閉スペースが必要
・気密性や防音性が高い ・清掃が容易 ・開け放して掃除する場合には、ドアストッパーや ドアクローザーの設置する |
両引きドア | ・ドアが左右にスライドで開閉する
・車いすや家具などの運搬が楽になる |
引違いドア | ・扉を左右にスライドして開閉
・開口スペースは扉1枚分 ・和室やふすまに多い |
片開きドア | ・標準的な玄関ドア
・左開き、右開きから選べる |
両開きドア | ・左右のドアが大きく開く
・ホールなどで使われるタイプ ・間口は広くなるがスペースが必要になる |
親子ドア | ・ドアが2枚に分かれている
・通常は1枚を使い、間口を広くする場合には小さいドアも使う ・車いすでの出入りや大きな荷物を運ぶときに開きます |
片袖ドア | ・ドアの一部にすりガラスを入れた扉
・玄関が明るく見える ・外からの光を家の中に入れやすい |
両袖ドア | ・片開きドアの左右にガラスが入っている
・片袖ドアより玄関が明るくなる ・ガラスの面積によって明るさが異なる |
おしゃれさを出すならタイル選びも重要
おしゃれは足元からと言いますが、玄関もドアや収納・照明だけでなくタイル選びも十分に検討しましょう。
玄関に派手な色を使うと落ち着きがなくなり、白っぽいと汚れが目立ち掃除が大変です。
ドアと合わせて、グレー系やブラウン系など汚れが目立ちにくい色をおすすめします。
雨風がひどい季節になると、毎日のようにタイルが汚れてしまうため、汚れがつきにくく落としやすいタイルを選びましょう。
ドアの色や玄関から部屋への動線を考えたうえで、バランスが良くなっているのかを考慮してください。
色やデザインだけでなく、滑りにくく安全かどうかもタイル選びのポイントです。
バリアフリーの場合、杖や車いすがスムーズに動くかも考えておしゃれなタイルで玄関を飾りましょう。
セキュリティを意識した玄関づくりで防犯アピール
防犯性が低いと、泥棒などに狙われやすく、簡単に侵入を許してしまいます。
ドアの鍵はもちろんですが、柵や壁を作って侵入しにくい玄関を心がけるのも必要です。
空き巣などの侵入被害を防ぐには、外から家の中が見えないようにする工夫や、防犯対策が十分にされている印象を与えるのが有効です。
入りにくいと思わせる、狙われにくくなれば、犯罪に巻き込まれるリスクは減少します。
見晴らしがよく、犯罪者が隠れるスペースをなくしたり、玄関前に砂を巻いて音がなるようにするのもおすすめです。
砂利の大きさによって、聞こえる足音の大きさが異なるため、気付きやすいメリットがあります。
ただし、テレビなどの音でかき消されてしまうケースもあるため、複数の防犯対策を組み合わせましょう。
玄関周りの照明はセンサー式にして、人が通ると明かりがつくようにしておけば、防犯性も高まります。
防犯カメラや警備会社と契約し、セキュリティ対策を万全にする方法もあります。
玄関を決める際のポイントを押さえて決めたあとは、素材や防犯性も確認しましょう。
まとめ
玄関は収納や防犯をメインにして、快適な空間が作れるように1つ1つポイントを確認しながら考えていきます。
全体的に機能性と防犯性を重視し、生活しやすい玄関作りを楽しみましょう。
玄関のサイズは、広すぎても狭すぎても使いにくいため、家族の人数をベースに考えると決めやすくなります。
収納については、収納したいものや量を踏まえたうえで計画しましょう。
扉に窓を入れたり、照明の位置にも工夫すると、明るくて快適な玄関が完成します。
見栄えと機能性、安心して使えるデザインを考えてみてはいかがでしょうか。