天井材にはどんな種類や特徴があるの?役割や選び方についても紹介

天井材にはいくつか種類があるのはご存知でしょうか。また、天井材の役割について知っている方も少ないのではないでしょうか。

本記事では、天井材の役割や天井材の施工方法、種類や特徴、天井材の選び方について解説しています。

天井のデザインをどんなものにするのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

天井材の役割とは?

天井材には4つの役割があります。

・照明効果を上げる

・断熱効果を上げる

・吸音効果を上げる

・安全性を上げる

それぞれの役割について見ていきましょう。

 

照明効果を上げる

1つ目の役割は照明効果を上げることです。

天井材は、天井に取り付けられた照明の光を反射させて部屋全体に光を広げる役割があります。自然光の入りづらい部屋でも、明るい色の天井材を用いることで部屋を明るく照らしてくれます。

部屋が明るくなると広々とした雰囲気も演出できます。

反対に、寝室のように落ち着いた雰囲気にしたい場合は、暗めの天井材を採用し光を反射しにくくするのもおすすめです。

光が反射して部屋が明るくなると目が覚めてしまい、入眠を妨げる可能性もあるので、入眠効果が期待できるように工夫してみましょう。

 

断熱効果を上げる

2つ目の役割は、断熱効果を上げることです。

適切な天井材を選ぶことで、室内の温度を快適に保つ効果が期待できます。

また、断熱効果がある天井材を選べば、天井から空気が逃げにくくなるためエアコン効率を高めて、電気代の節約にもつながります。

 

吸音効果を上げる

3つ目は吸音効果を上げることです。

天井材には吸音効果が期待できる素材もあります。

吸音効果のある素材を選べば、人の声や足音などの生活音が響きにくくなります。

音漏れなどを気にせずに映画鑑賞や音楽鑑賞をしたい方は、吸音効果・遮音効果の高い天井材を使うことで音響効果をより高められるのでおすすめです。

 

安全性を上げる

4つ目は安全性を上げることです。

天井材には耐火性・耐震性が備わっており、建物の安全性を上げる効果も期待できます。

火事の時には炎の広がりを遅らせて、地震の時には設備の落下を抑える効果もあるため、もしもの時には自分たちの身を守ることにもつながります。

 

天井材を施工する時の2つの工法

天井材を施工する際には2つの工法が用いられます。

・乾式工法

・湿式工法

これらの工法について解説していきます。

 

乾式工法

乾式工法は、工場で作られた天井材を現場で取り付ける工法をいいます。

天井材の施工では、乾式工法が主流です。

湿式工法よりも短期間で施工でき、コストも安価で済ませることができます。

また施工できる人も多く、熟練の職人でなくても一定以上の品質で仕上げることができます。

 

湿式工法

湿式工法は、職人が現場で塗装や左官仕上げなどで仕上げる工法のことです。

現場で材料をつくって、刷毛やコテを使って天井材を仕上げていきます。

高度な技術と経験が必要になるため、乾式工法よりもコストと手間がかかります。

また、スキルを持った職人が乾式工法よりも少ないため、湿式工法での天井材の仕上げをお願いしたい場合は、熟練の職人を探すことが必要です。

ただ、仕上がりは乾式工法ではできない独特な質感と雰囲気が感じられるので、特にこだわりたい部屋には湿式工法で仕上げてもらうなどの工夫をするのも良いでしょう。

 

乾式工法の天井材の種類と特徴

乾式工法で施工される天井材の種類と特徴を見ていきましょう。

・壁紙(クロス)

・木質系

・無機質系

上記の3種類の特徴を解説していきます。

 

壁紙(クロス)

壁紙は、一般的によく使われており比較的安価で手に入れることが可能です。

また、商品の種類が非常に豊富なので、その中から自分がイメージするデザインのクロスを選ぶことができます。

クロスには、汚れ防止や防カビ・抗菌作用・耐火性・防火性・ペット対策など種類によって様々な機能性がある物もあるので、部屋の用途に合わせてクロスを選ぶのも良いでしょう。

最近ではDIYでも簡単に張替えができる商品も出ていることから、施工性の高さもメリットの1つです。

ビニールクロスの種類を見ていきましょう。

 

ビニールクロス

ビニールクロスは壁紙の中でもよく使われているタイプの天井材です。

塩化ビニール樹脂などを主原料とし、ビニールシートに紙を裏打ちして作られています。

比較的安価で、デザインやカラーも豊富で、中には凹凸のあるエンボス加工がされたものもあります。

ただ、ビニールクロスには化学物質を含んでいるため、アレルギー対策をしたい人は避けた方が良いかもしれません。

 

織物クロス

織物クロスとは、麻や絹、レーヨンやポリエステルなどの布で作られたクロスです。

布独特の温かみが感じられ、落ち着いた雰囲気にしたい部屋におすすめです。

吸湿放湿性に優れているので、調湿効果も期待できます。また、細かくおられて作られているので破れにくいです。

ただ、一度汚れがつくと落ちにくいというデメリットがあります。

 

紙クロス

パルプなどを原料とした紙にプリントや凸凹のあるエンボス加工を施したクロスを紙クロスと言います。

通気性がよく、吸音効果も期待できます。

和紙の紙クロスなら、和風の部屋を作ることができ、海外の洋紙なら色鮮やかな雰囲気も演出してくれるでしょう。

比較的費用が高く、擦れに弱くて長持ちしにくい点がデメリットです。

 

木質系クロス

薄く切った天然木やコルクシートを紙やアルミで裏打ちして作られたクロスを木質系クロスと言います。

ナチュラルな雰囲気を出したい方には、天井に木質系クロスを使うことをお勧めします。

比較的価格が高いものが多いので、広い範囲に使うとその分価格が高くなるため注意が必要です。

 

無機質系クロス

漆喰や珪藻土のような無機質の素材を使用したクロスを無機質系クロスと言います。

塗装した壁のような雰囲気を演出できます。

実際に漆喰や珪藻土を使うと価格が高くなってしまいやすいですが、こちらであれば漆喰や珪藻土の雰囲気を楽しみながら比較的リーズナブルな価格で施工することが可能です。

種類によっては調湿作用や消臭機能が備わっているものもあります。

 

オレフィンクロス

オレフィンクロスとは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの素材を使ったクロスのことです。

高い耐久性を持ち汚れにくいという特徴があります。

また、廃棄するときに有害物質を発生させないため、環境にやさしい素材でもあります。

他のクロスよりも薄いため、技術のある職人に施工してもらわなければなりません。

 

フリース壁紙

フリース壁紙とは、パルプやポリエステル、セルロースなどを三次元に絡ませて作られた壁紙のことです。

伸び縮みが少ないため、繋ぎ目部分の目開きが起こりにくく、丈夫で敗れにくいという特徴があります。ただし、ビニールクロスよりも少し価格が高めです。

 

木質系

木質系とは、無垢材や合板材を使った天井材のことです。

木質系クロスと違い、本物の木を使用しています。

床に無垢材を使うように天井にも用いることで、コストは高くなるものの木の温かみを感じられ湿度の調整作用も期待できます。

複数の合板を貼り合わせた合板材は、無垢材よりも安価で取り入れることができます。

また、細長い板を重ね合わせて並べる羽目板での施工も可能です。

立体感のある仕上がりになるので、高級感も感じられます。

 

無機質系

無機質系の天井材にはロックウール板や石膏ボードなどがあり、岩綿吸音版とも呼ばれています。

吸音効果がある天井材ですが、調湿や消臭効果も期待できます。

映画館や音楽スタジオでよく使われる素材ですが、家にシアタールームやスタジオを作りたいと言う方にも無機質系の天井材がおすすめです。

 

湿式工法の天井材の種類と特徴

続いて湿式工法での天井材の種類と特徴を見てみましょう。

・漆喰

・珪藻土

・モルタル

それぞれの特徴を解説していきます。

 

漆喰

漆喰は、主原料に消石灰が使われ、そこに水やのり、繊維などを混ぜ合わせてできた塗り壁材のことをいいます。

呼吸する壁とも言われており、余分な湿気を吸い取り、湿気が低い時には湿気を放出する調湿効果があります。

また、不燃材料としても認定されているため、万が一の火事の時にも燃え広がりを遅らせることが可能です。

ホルムアルデヒドを吸収する機能もあるので、シックハウ症候群対策としても期待されている素材です。

 

珪藻土

珪藻土は、海に生息する植物性プランクトンの化石を主原料に作られた材料です。

細かい穴がたくさん空いているため、水蒸気を吸って放出したり熱を伝えにくい性質を持っています。

そういった性質から、調湿性・消臭性・断熱性が高いことが特徴です。

 

モルタル

モルタルは、セメントに砂を加えて練り合わせて作られた材料です。

壁材や天井材としてだけでなく、コンクリートの補修やタイルや石材の接着、レンガやコンクリートブロック積みなど様々な場面で使われます。

モルタルの特徴は、無機質であることから高い耐火性を持っており、不燃性で有毒ガスも発生させない点です。

施工の際には、コテなどで平らに仕上げたり、模様をつけたりといったこともできるので自由度が高いです。

 

天井材の選び方

ここからは天井材の選び方を見ていきましょう。

・機能性で選ぶ

・コストで選ぶ

・好みのデザインで選ぶ

それぞれの選び方について解説していきます。

 

機能性で選ぶ

天井材を選ぶ際、部屋の用途に合わせて選ぶことでより快適な空間作りをすることができます。

例えば、リビングは家族が集合する場所で生活音が集まりやすい場所なので、吸音機能がある天井材を使ってみるのも良いでしょう。

クローゼットやパントリーのように換気のしにくい場所には調湿機能が着いた天井材もおすすめです。

ペットのいるご家庭なら、消臭効果があるタイプのものにするのも良いでしょう。

新型コロナウイルスの流行以来、家の中に菌を持ち込まないように特に気をつける方も増えています。

そんな方には、抗菌効果が期待できる天井材を採用するのもおすすめです。

このように、天井材には様々な機能が付与されているので、欲しい機能性に合わせて自由に選ぶことができます。

 

コストで選ぶ

コストで選ぶのも選び方の1つです。

もっと安価で選べるのはビニールクロスです。

ビニールクロスは安価で購入できるだけでなく、非常に豊富なラインナップから好きなデザインを選ぶことができます。

天井を木にしたいが予算が足りないという方には、ビニールクロスの木目のものを選ぶのも良いでしょう。

ただ、部屋の用途に合わせて予算をバランスよく使い分けるのもおすすめです。

子供部屋や寝室にはビニールクロスを使い、家族が集まったりお客様を招いたりするリビングには少し多めに予算を使って木材を取り入れるといったことも可能です。

どのような雰囲気の部屋にしたいかを考えて、コストをかける場所と抑える場所を決めるようにしましょう。

 

好みのデザインで選ぶ

天井材はデザインを変えるだけで一気に部屋の雰囲気を変えられます。

お手入れのしやすさや機能性も大切ですが、自分がどんな雰囲気の部屋にしたいかに合わせて好みのデザインを選ぶのも重要です。

例えば、ナチュラルな雰囲気にしたい方は木の羽目板を採用するのも良いでしょう。

和モダンな雰囲気の部屋にするなら、天井や壁に紙のクロスを使うだけでも雰囲気が増しますよ。

 

まとめ

まとめ

天井材の役割や種類、特徴などについて解説しました。

天井は、壁よりも使われる範囲が狭いですが、部屋に入った時にパッと目がいく場所でもあります。

天井材の種類によって雰囲気が全く変わってくるので、どんな部屋にしたいのかを考えた上で天井材の種類を選ぶようにしましょう。

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