「オール電化とガス併用って、比較したらどちらがお得なの?」
家を建てる際に迷うポイントの1つが、オール電化にするか、ガスを併用するかどうかです。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、状況に応じて選ばないと、光熱費に大きな影響を与えたり、生活の快適さが損なわれたりする場合があります。
「でも、そんなこと分からない…」
という方もご安心ください。この記事では、オール電化・ガス併用で料金を徹底比較し、分かりやすく解説しています。初期費用・ランニングコストなど、様々な観点から比較しているので、あなたにピッタリの選択肢が見つけやすくなるはずです。
この記事を読み終える頃には、どちらの選択がベストなのかを判断できるようになります。家計の負担を減らしつつ、快適な生活を実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
オール電化 vs ガス併用!どちらが経済的か徹底比較
オール電化とガス併用を比較した場合、一体どちらがお得になるのでしょうか?
このことを知っておくと、住まいを建てる時に、どちらを選ぶべきか判断しやすくなります。
ここでは、4人家族でオール電化・ガス併用で使用する場合を例に、費用などを解説します。適切な選択をして、光熱費の負担を減らしていきましょう。
オール電化とガス併用を初期費用で比較
オール電化とガス併用を初期費用で比較すると、オール電化のほうが高くなります。以下の表は、各システムを設置する場合の費用相場です。
システム | 初期費用 |
オール電化 | 1,200,000円 |
ガス併用 | 800,000円 |
オール電化にはエコキュートやIHクッキングヒーターの設置が必要であり、その設備費用が高額になります。一方、ガス機器は設置費用が比較的安く、相場よりも更に安い値段で導入できることもあるでしょう。
初期費用を抑えたい場合はガス併用の方が適しています。オール電化はコストが高くなりますが、長期的に見ると、経済的になる場合も。
「それはどんな時なの?」
という方のために、後ほど環境による費用変動についても解説しますので、ぜひご覧になってください。
オール電化とガス併用の月間光熱費比較
ガス併用(特に都市ガス併用)の方が月間光熱費は安くなる傾向があります。以下に、4人家族で使用した場合の月間光熱費を示しました。
システム | 1kwhあたりの平均費用 | 月間光熱費 |
オール電化 | 27円 | 15,000円 |
都市ガス | 15円 | 12,000円 |
LPガス | 23円 | 14,000円 |
電気料金は27円/kWh、LPガス料金は23円/kWh、都市ガス料金は15円/kWhが全国の平均費用です。ご覧の通り、都市ガスのコストが最も低くなっています。ガス料金が低いのは、1kwhあたりのエネルギー量が高いため、使用量が少なくて済むことが影響しています。
例えば、4人家族が1ヶ月に使うエネルギー量を600kWhとすると、オール電化の場合の光熱費は27円/kWh × 600kWh = 16,200円です。
都市ガス併用の場合は、電気300kWh(27円/kWh × 300kWh = 8,100円)とガス300kWh(15円/kWh × 300kWh = 4,500円)で合計12,600円となります。
月間光熱費を抑えたい場合は、都市ガス併用が圧倒的に経済的だと言えるでしょう。
初期費用と月間光熱費を考慮すると、ガス併用のほうが圧倒的にお得なのが分かります。ただし、季節によってかかるコストが違うことを忘れてはいけません。次に、季節ごとの費用の違いやメンテナンス費という観点から両者を比較していきます。
ランニングコストの観点からオール電化・ガス併用を比較
次に、ランニングコストの観点から、オール電化・ガス併用を比較してみましょう。
初期費用・月間光熱費で見たコスパは、ガス併用のほうが圧倒的に高いことが分かりました。しかし、実際には季節ごとに光熱費は異なり、更にメンテナンスなども必要になります。
ガス併用は本当にお得なのでしょうか?季節ごとの電気代・ガス代とメンテナンス費用の観点から両者を比較し、総合的に判断してみましょう。
電気代とガス代を季節ごとに比較
オール電化とガス併用の年間ランニングコストは、季節ごとに変動します。特に冬季は暖房費が増加するため、コストに大きな差が出ます。次の
季節 | オール電化 | 都市ガス | LPガス |
春・秋 | 13,500円/月 | 11,000円/月 | 12,500円/月 |
夏 | 16,000円/月 | 13,000円/月 | 14,500円/月 |
冬 | 20,000円/月 | 15,000円/月 | 18,000円/月 |
電気代は27円/kWh、都市ガス代は15円/kWh、LPガス代は23円/kWhとして計算しています。皆さんも季節ごとに、料金が違うことは何となく把握していることでしょう。費用相場ではありますが、一般的には上記のような差が生まれるのです。
例えば、オール電化の家庭では、冬場になると750kWhほどの電力を使用します。27円/kWh × 750kWh = 20,250円かかるので、年間で243,000円になる計算です。
一方、都市ガス併用では、電力使用量が300kWh(27円/kWh × 300kWh = 8,100円)で、ガス使用量が500kWh(15円/kWh × 500kWh = 7,500円)、合計15,600円となり、年間で187,200円かかります。
季節ごとに比べてみても、年間を通じて最も経済的なのは都市ガスを併用するパターンです。電気はガスに比べてエネルギー効率が低い為、冬場になるとガスと大きな開きが出ることが分かります。
オール電化とガス併用をメンテナンス費で比較
両者をメンテナンス費で比較すると、オール電化のほうが高いことが分かります。次の表は、1年間にかかるメンテナンス費用の相場です。
システム | メンテナンス費用(円/年) |
オール電化 | 30,000円 |
都市ガス | 20,000円 |
LPガス | 25,000円 |
オール電化では、エコキュートやIHクッキングヒーターなど、高額な設備が多いので、その分メンテナンス費用が高まります。精密な機械は、部品も多く使われていますので、部品を購入するだけでも費用がかさむこともあるでしょう。
メンテナンス費用を考慮しても、都市ガス併用が最も経済的であることが分かります。
「じゃあ、ガス併用に決まり!」
と思ったそこのあなた、少し待ってください。費用だけで見ればガス併用のほうがお得です。ただ、実はオール電化にも、費用が高いなりのメリットもあります。
ガスのほうが安いからと慌てて決めてしまうと、生活の快適性を損なうこともあるでしょう。次にオール電化とガス併用のメリット・デメリットを解説しますので、参考にしてみてください。
オール電化のメリット・デメリット
オール電化は初期費用やランニングコストが高いというデメリットがありますが、反面さまざまなメリットもあります。
メリット・デメリットを知らず、「ガスのほうが安いから…」と安易に選んでしまうと、後々後悔してしまうハメになることも…。
ベストな選択をするためにも、次に解説するメリット・デメリットを必ず押さえておきましょう。
オール電化のメリット
安全性が高い
オール電化は一酸化炭素中毒や火災のリスクを大幅に軽減します。
オール電化では、ガスを使用せず、全てのエネルギーを電気でまかなうため、ガス漏れや一酸化炭素中毒のリスクがありません。また、火を使わないため火災のリスクも大幅に下がります。
小さなお子様がいる家庭では、オール電化の魅力がぐっと光ります。万が一IHグリルヒーターのスイッチを入れてしまっても、火災などが起きる心配はありません。
小さな子供や高齢者のいる家庭においては、オール電化は非常に安心できる選択肢なのです。
料金を一本化できる
オール電化にすることで、料金を一本化でき、光熱費を節約したり、家計の管理をシンプルにしたりできます。
例えば、ガスの基本料金が毎月800円かかる家庭では、オール電化にすることでこの費用がなくなります。年間では9,600円の節約になります。
ガスは使わなくても基本料金がかかるため、ガスの使用量が少ない家庭では、オール電化にした方がコスパが良くなるでしょう。また料金の一本化により、光熱費の見直しや節約がしやすくなります。
家計や契約の管理を簡素にしたい方は、オール電化にすると良いでしょう。
電力会社のオール電化プランの利用で電気料金が割安になる可能性
費用の高さがネックなオール電化ですが、オール電化プランを提供する電力会社を利用すれば、電気料金が割安になる可能性があります。
多くの電力会社は、オール電化住宅向けの割引プランを提供しています。これにより、通常よりも安い料金で電気を利用することができるのです。
よくある例としては、オール電化プランを選択することで、夜間の電気料金が大幅に安くなるパターンです。プランは各社によって異なりますので、気になる方は各電力会社に問い合わせてみてくださいね。
電力会社のオール電化プランをうまく活用すれば、ガスを併用する場合に比べてコスパが高くなる場合もあるでしょう。オール電化・ガス併用を考えている方は、ぜひ電力プランも併せて検討してみてください。
オール電化のデメリット
初期費用が高い
先にも解説した通り、オール電化の導入には高額な初期費用がかかります。
オール電化設備の導入には、IHクッキングヒーターやエコキュートなどの機器購入・設置費用が必要です。これらの費用は、ガス設備に比べて高額になることが多くなることがほとんどです。
例えば、エコキュートの導入には約500,000〜1,000,000円の費用がかかることがあります。IHクッキングヒーターは安くても300,000~400,000円ほどするため、ガス併用に比べ、2倍もの費用がかかる場合もあるでしょう。
非常に便利なオール電化ですが、初期費用の高さで躊躇する人も多いようです。
停電時のリスク
オール電化は、停電時にすべての電気設備が使用できなくなるリスクがあります。
当たり前ですが、電気のみを利用するため、停電が発生すると、調理や暖房、給湯などの機能がすべて停止してしまいます。
例えば、大規模な台風や地震による停電が長時間続く場合、オール電化の家庭では料理ができない、風呂に入れない、暖房が使えないといった自体が生じてしまうのです。
停電時のリスクを軽減するためには、非常用電源などの備えが必要です。停電に弱いという点は、オール電化の大きなデメリットと言えるでしょう。
ガス併用のメリット・デメリット
圧倒的な費用の安さが魅力のガス併用ですが、こちらにもメリット・デメリットがあります。
費用の安さだけで選ぶと、ご自身の生活に合わないシステムを選んでしまう可能性もあるでしょう。
ガス併用のメリット・デメリットを具体的に解説していきますので、参考にしてみてください。
ガス併用のメリット
費用の安さ
特に都市ガスの場合、コストが低く抑えられるメリットがあります。
都市ガスの価格は約15円/kWhと、電気やLPガスよりも単価が低めです。
例えば、1ヶ月に500kWhのエネルギーを使用する場合、都市ガス併用での費用は7,500円(15円/kWh × 500kWh)となり、オール電化の13,500円(27円/kWh × 500kWh)に比べてかなり安価です 。
この計算は季節や環境によって異なりますので、参考程度に捉えておきましょう。とはいえ、オール電化より光熱費を抑えられることは確かです。
ランニングコストを抑えたい、という方はガスを併用していくと良いでしょう。
緊急時にも安定して使える
ガスを利用するもう1つのメリットは、緊急時にも安定して使えることです。
特に都市ガスは地中のパイプラインを通じて供給されるため、天候や災害に強く、停電時でも使用可能です。
オール電化の場合、停電してしまうと全ての機能が使えなくなってしまいます。ガスは地中で管が破裂しない限り、調理や入浴などを行うことができるため、万が一の場合でも快適に過ごすことができるのです。
費用を抑えつつ、停電などの備えもしておきたい方は、ガスを併用すると良いでしょう。
ガス併用のデメリット
基本料金の二重払い
ガスを併用する場合、電気とガスの両方の基本料金を支払う必要があります。
例えば、電気の基本料金が月額1,500円、ガスの基本料金が月額1,000円とすると、合計で月に2,500円の基本料金がかかります。
オール電化であれば、ガスの基本料金を1年で「1,000円×12か月分=12,000円/年」も節約できるため、結果的にオール電化のほうがコスパが高くなる場合もあるでしょう。
オール電化とガス併用で悩んだ場合は
「費用が安いからガス」
ではなく、今までの利用状況なども鑑みて総合的に判断する必要があります。
ガス漏れや火災のリスク
ガス使用には、ガス漏れや火災のリスクがあります。このデメリットは、ガスを使う上で避けられないものです。
特に小さなお子様がいる過程では、知らぬうちに火をつけ、ケガや火災に繋がってしまう場合もあるでしょう。
オール電化なら全て安心というわけではありませんが、やはりガスのほうが危険性が高いことに代わりはありません。
安全装置を取り付けたり、警報を取り付けたりするなど、安全管理は必要不可欠と言えるでしょう。
オール電化とガス併用は結局どちらがおすすめ?
では、結局オール電化とガス併用は、どちらがおすすめなのでしょうか?
これは状況によって変わるとしか言いようがありません。おすすめなケースを以下にまとめてみました。
オール電化がおすすめのケース | ガス併用がおすすめのケース |
小さな子どもや高齢者がいる
生活の利便性を高めたい 契約や管理を一本化したい |
ランニングコストを抑えたい
災害時の備えをしたい 料理にこだわりたい |
どちらにもメリット・デメリットがあるため、最後はあなた自身のライフスタイルなどによって選択が変わります。
「どっちを選んだ方が良いか迷ってしまう…」
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【まとめ】正しい知識を押さえて賢い選択をしよう
ここまでオール電化・ガス併用の比較をしてきました。まとめると次のようになります。
- 費用ならガス併用のほうが圧倒的にお得
- オール電化は安全性の高さが魅力
- 費用だけでなくライフスタイルに応じて選択する
オール電化かガスを併用するかは、今後の生活を左右する重大な決断です。システムの入れ替えは簡単にはできないため、選択を誤ってしまうと、大きな後悔につながる場合もあるでしょう。
「ここまで読んだけど、どうしても決まらない…」
という方は、ぜひ我々にお手伝いさせてください。住まいは大きな買い物ですから、悩むのは当然です。そんな時は、専門家に頼ることで、賢い判断をしやすくなります。
「無料っていうけど、何だか不安」
と言う方は、どんな些細なご質問・ご相談でもかまいませんので、まずはご一報ください。あなたの理想的な住まい作りを、誠心誠意、応援させていただきます。