「中古戸建を買いたいけど選び方が分からない。」
「中古戸建って安い物件が多いけど何となく買うのが不安。」
「新築と比較した時のメリットとデメリットを知りたい。」
新築よりも安いイメージの中古戸建ですが、選ぶのにどこか不安を感じる方や上手に購入するポイントを知りたい方は多いでしょう。
中古戸建は、建物が新築時とは違うので、新築にはない選び方を知ることが大切なポイントです。
そこで今回は、中古戸建を購入する際のポイントを徹底解説します。
中古戸建ならではの確認するべきポイントやメリット・デメリットについても紹介するので、中古戸建を検討する方は参考にしてください。
目次
中古戸建の定義ってなに?
まず、中古戸建の定義とは、一度誰かが住んだ後の戸建物件、もしくは誰も住んでいない状態でも完成して1年以上経過した物件を言います。
よって、一口に中古戸建と言っても築1年未満の物件から10年、30年、それ以上の物件があります。
新築とは違い物件ごとに建物の状態が違うことや施工したハウスメーカー・工務店によって同じ築年数でも価値に大きな差があることが特徴です。
よって、中古戸建は、一般的に物件を見極めるのが難しいとされており、選ぶべきポイントを意識して物件を見る必要があります。
中古戸建を選ぶ際に重要なポイント10選
それでは本題となる中古戸建を選ぶ際のポイントについて10個紹介します。
新築とは違い、ある程度の品質保証がされている訳ではないため、知らずに買うとその後のリスクにつながる場合もあります。
中古戸建を購入する場合は、決して焦ることなく、以下で紹介する10のポイントを必ずチェックした上で慎重に物件選びをしましょう。
築年数
まず、大切なポイントは何といっても築年数です。
当然ですが、築年数が浅い物件ほど建物が新しく、購入してからすぐの雨漏りや、その他の修繕が発生するリスクが少ないため、安心して住むことができます。
あくまで参考ですが、木造であれば築10年を超えてから修繕が発生しだすので、それ以内であれば基本的に修繕の心配がないケースが多いです。
逆に、10~15年を超える物件については、建物によって修繕が発生するリスクを考えておく必要があります。
耐震性
築年数と合わせて大切なのが、建物の耐震性です。
耐震性とは、地震に耐える力のことで建物の強度を測る上で特に大切なポイントです。
地震が多発する日本において、耐震性能に不安がある建物は絶対に選んではいけません。
この耐震性を見る際のポイントは、新耐震基準の建物を選ぶことです。
耐震基準は、明確に1981年(昭和56年)5月31日までの建築確認に適用されていたのが旧耐震、それ以降に建築確認が認められた建物が新耐震と分けられます。
注意点としては、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築された建物でも建築確認がおりたタイミングが1981年5月31日以前であれば旧耐震となることです。
購入したい物件が、旧耐震の場合、住宅ローンが基本的に利用できない点も注意しましょう。
また、仮に新耐震基準であったとしても耐震性能評価は必ずチェックです。
建物構造
中古戸建をリフォームして住みたい方などは、建物構造がとても大切なポイントになります。
例えば、木造であれば基本的に在来工法もしくはツーバイフォー工法で建築されていますが、ツーバイフォー工法は、リフォームに向かない構造と言われています。
それは、柱がある在来工法と比較して壁や天井など面だけで組み立てられるツーバイフォー工法は、リフォームできる部分が限られるからです。
あくまで一例であり、リフォームしたい度合いにもよりますが、リフォームを考えている方は、専門家に相談した上で物件選びをしましょう。
なお、ツーバイフォー工法で建てられた物件の方が、在来工法よりも耐震性は優れていると言われています。
瑕疵担保責任の有無(契約条件)
契約条件に売主側の瑕疵担保責任があるかどうかです。
新築の建物には、ハウスメーカーからの保証が基本的につきますが、残念ながら中古物件に保証はないため、売主側が瑕疵担保責任を負うのが一般的です。
瑕疵とは、一見して分からない建物の欠陥のことで、例えば、引渡が完了した後に出てくる予想していなかったシロアリ被害や天井の雨漏りなどがあります。
瑕疵担保責任の期間を定めていれば、その期間以内に瑕疵が判明した場合、売主の責任と負担において修繕する必要があります。
ただ、売主によっては、引渡後に責任を負いたくないため、瑕疵担保責任の免責を求めてくるケースがあるので注意しましょう。
仮に、気に入った物件でも瑕疵担保の免責を簡単にのんではいけません。
購入したい物件で売主が瑕疵担保の免責を条件としている場合は、ハウスインスペクションを売主負担で行った上で引き渡しを行うなど、買う側も条件をつけることが大切です。
ハウスクリーニングの有無(契約条件)
売主が退去した後のハウスクリーニングの有無です。
ハウスクリーニングとは、住宅の室内清掃のことで売主が退去時に家の中の物をすべて運び出した後で専門業者に依頼して室内を綺麗にしてもらいます。
退去して物が無くなった後の室内は、そのままだとほこりや汚れが目立つため、一度、室内全てを綺麗にしてから入居する方がおすすめです。
売主によっては、退去した後にハウスクリーニングをした上で売りに出すケースもありますが、入居中であれば退去後のクリーニングの有無は必ず確認しておきます。
クリーニング費用は、エアコンや水回り含めて家中行うと10万円ほどになるため、事前に契約条件に入っているか確認するようにしましょう。
建物の仕様や導入されている設備関係
建物の仕様や導入されている設備関係など、いわゆる建物のスペック面です。
建物のスペックは、築年数が浅い物件、または建売住宅よりも注文住宅として建てられた物件の方が高い傾向にあります。
食器洗い洗濯機や浴室乾燥機、床暖房など方によって好みは違いますので必ず確認しましょう。
施工会社
中古物件は、過去の施工会社によって価値がかなり変わります。
たとえば、建物にコストをかけないパワービルダー系の建売戸建よりは、建物にコストをかけるハウスメーカーの注文住宅の方が、同じ築年数であればはるかに丈夫です。
中古の注文住宅を狙って購入する方も多いので、同じ立地で築年数や間取りなどの条件があまり変わらなければ、ハウスメーカーが建てた物件を選びましょう。
また、中古戸建は、建物保証こそ付きませんが、施工会社を知っておくことで将来的な修繕が発生した時に役立つので必ず確認することが大切です。
立地
はじめて建物以外の内容になりますが、立地面です。
理由は、将来的に売却することになった場合、立地がかなり重要になるからです。
特に、中古物件の場合、築年数にもよりますが、購入してまた将来的に売却する場合、建物に果たして価値があるのか分からない可能性もあるでしょう。
この場合、仮に建物に価値が認められなくても立地がよくて土地に価値があれば、土地として問題なく売却できます。
新築ではなく中古戸建を購入する場合、将来的な売却に備えて立地面含め、土地の価値を考えることはとても大切な要素です。
道路づけや地形など土地の条件
道路づけや土地の形など土地の条件面です。
道路づけとは、接道間口の広さや前面道路の幅員、道路と敷地の間にある高低差のことで間口や道路幅員は広く、高低差は少ない土地ほど価値が高くなります。
土地を見る上で立地と同じくらい大切な要素であり、先述したように将来的な売却を考える際に外せないポイントです。
専門的な要素が強いですが、戸建を購入する場合は、特に注意するべきポイントです。
必ず複数の物件を比較する
最後のポイントは、必ず複数の物件を比較検討した上で購入することです。
中古戸建だけでなく、不動産の購入は、人生で何度もあるイベントではないため、焦って購入するのは絶対にやめましょう。
不動産会社の営業マンによっては、紹介した物件がなくなるからと焦らせてくるケースもありますが、話にのってはいけません。
特に、中古戸建の場合は、建物の状態や設備面など条件がバラバラなので、必ず複数の物件を実際に見て検討するようにしましょう。
間違っても1件や2件の下見で決めないようにしてください!
中古戸建のメリットとデメリットって?
それでは、最後に中古戸建のメリットとデメリットについて紹介します。
主に、新築と比較した時のメリットとデメリットですので、新築との両方で検討している方は、特に参考にしてください。
中古戸建のメリット
まず、メリットを紹介します。
価格が安い
中古戸建のメリットで第一に挙げるのはやはり価格が安いことです。
新築の場合、住宅メーカーの利益が大きくのってくるので、どうしても価格が高くなりますが、中古の場合は、それがありません。
中古戸建の売主は、大半が個人であるため、売主の状況や意向次第では、かなり安く買えるケースもあります。
特に、売主が高齢のケースや相続によって引き継がれたケースなど、売主が早く売ってしまいたい状況のときはチャンスが大きいです。
思わぬ掘り出し物件が買えることも
新築とは違い、築年数やデザイン、仕様など何から何まで違う中古戸建は思わぬ掘り出し物件が買える面白さもあります。
普段あまり出ない立地の物件や有名ハウスメーカーで建てた物件など、新築では手が出ないような条件でも中古戸建なら買える可能性があります。
もちろん、希少性が高い物件は、中古でも高値で取引されますので、一概には言えませんが、タイミングや売主の意向が合えば超優良物件が買えるかも知れません。
リフォームやリノベーションを楽しむことも
価格面が安い中古物件は、リフォームやリノベーションをしやすい点も魅力です。
中には、他が買わないような中古物件を安く購入し、自分でリノベーションして活用することを狙っている設計士などのプロ購入者も多くいます。
中古戸建のデメリット
次にデメリットを紹介します。
修繕リスクがある
中古戸建の一番のデメリットは修繕費が早めにかかるリスクがあることでしょう。
先述したように、築年数によっては購入後すぐに修繕が発生するケースも少なくありません。
売主の瑕疵担保責任を契約条件に入れることやホームインスペクションを活用するなど、自分でリスクヘッジをする必要があります。
銀行ローンを利用出来ない場合も
中古戸建は、担保評価が低く住宅ローンを利用するハードルが高いこともデメリットです。
先述したように旧耐震の物件などは基本的に住宅ローンが利用できないため、物件選定もローンを組む上で大切になります。
ローンでまかなえない部分は、自己資金で負担する必要があるため、新築よりも初期費用が増える可能性を頭に入れておく必要があるでしょう。
まとめ
今回は、中古戸建を購入する際のポイントをテーマに中古のメリット・デメリットについても紹介しました。
新築物件にはない注意点こそあるものの中古戸建にしかないメリットもあり、どちらも検討した上で購入を決めるのも良いでしょう。
中古戸建を中心に検討したい方は、今回の内容を参考にぜひ優良物件を探してみてください。