お家で平穏で快適な生活を送っているのにも関わらず、空き巣などの被害に遭ってしまっては大変です。
そのような被害に遭ってしまうことのないよう、空き巣の侵入経路を把握して必要な対策をするといったことが大切になります。
本記事では、そうした防犯性の高い住まいをつくるポイントについて、解説していきます。
目次
空き巣の侵入経路
防犯性の高い住まいをつくるにあたり、押さえておきたいのが空き巣の侵入経路です。
代表的なものとして、以下のようなものが挙げられます。
・窓
・玄関
・勝手口
・ベランダ
それぞれ解説します。
窓
まずは窓からの侵入です。
具体的には以下のような場所が考えられます。
・掃き出し窓
・居室の窓
・浴室やトイレの窓
特に掃き出し窓の場合、施錠を解除したり、窓を破ったりするだけで簡単に侵入できてしまいます。
一方、居室の窓や浴室・トイレの窓にも注意が必要です。
これらの窓は侵入されるリスクが低く感じられるのか、施錠せずに外出などしてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
玄関
玄関から直接侵入されるケースもあります。
玄関の施錠をせずに外出するというケースは稀です。
侵入される際は、鍵を壊すなどして侵入されるケースが多くなっています。
勝手口
勝手口は裏手側に設置されることが多く、侵入者としても一目を気にせず侵入しやすくなっています。
こちらも鍵を壊すなどして侵入されるケースが多いです。
ベランダ
2階のベランダなどから侵入されるケースです。
特にカーポートやエアコンの室外機からベランダまで登りやすい形になっている場合には注意が必要です。
空き巣が家に侵入する際のよくある手口と対策
次に、空き巣が家に侵入する際のよくある手口をご紹介します。
具体的には、以下の3つです。
・無施錠(無締り)
・ガラス破り
・施錠開け
それぞれ見ていきましょう。
無施錠(無締り)
無施錠の玄関やドアから侵入されてしまうケースです。
警察庁のデータによると、空き巣の侵入手段で最も多いのが無施錠(無締り)となっています。
日頃から無施錠で外出してしまうような方は、空き巣からマークされている可能性があると考えたほうがよいです。
玄関など目立つ場所はしっかり施錠できていたとしても、トイレやお風呂、2階の窓など油断してしまっていて、無施錠で外出してしまっているといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
対策としては、施錠を徹底するということが挙げられます。
お風呂やトイレの窓、2階の窓などすべての窓をしっかり施錠します。
場合によっては、2重ロックなど検討するのもよいでしょう。
出典:警察庁データー「住まいる防犯110番」
ガラス破り
鍵が施錠されていても、ガラスを破って外から鍵を解錠し、侵入されてしまう可能性があります。
警察庁のデータでは、無施錠に続いて2番目に多い侵入方法となっています。
ガラス破りを防ぐ方法としては、破れにくいガラスを採用することが挙げられます。
具体的には、以下のような方法が考えられます。
・防犯ガラス
・内窓の設置
・雨戸の設置
それぞれ解説します。
防犯ガラス
防犯ガラスはその名の通り、ガラス破りによる侵入などを防ぐことを目的に、強化されたガラスのことです。
最近の窓ガラスはペアガラスといって2枚のガラスを採用していることが多いですが、防犯ガラスはこの2枚のガラスの間に複数のフィルムを挟むなどして性能を高めています。
ハンマーや鋭利な鈍器などでガラスを打ち付けると、通常のガラスであれば割れて飛び散ってしまいます。
しかし、防犯ガラスは貫通性能や飛散防止性能を高めており、通常であればガラスが割れてしまうような衝撃を受けても、そもそも割れないか、割れても飛散せずにガラスが残るため、簡単には侵入できなくなっているのです。
防犯ガラスの性能は、どのようなフィルムを入れるのか、またどの程度の厚さにするのかなどによって異なります。
当然、何重にも対策したほうがセキュリティを高めることができますが、費用が高くなってしまう点には注意しなければなりません。
内窓の設置
通常の窓の内側に内窓を設置する方法です。
一般的には断熱性能や気密性能を高めるために設置することが多いですが、防犯性能を高めることもできます。
なお、通常の窓を防犯ガラス付きの窓にリフォームする場合、サッシやガラスを交換する必要があることから、費用が高額になりがちです。
しかし、内窓は今ある窓の内側に内窓を設置するだけなので、費用を抑えやすい点もポイントだといえます。
雨戸の設置
窓の外側に雨戸やシャッターを設置することで、ガラス破りを防ぐことができます。
もちろん、雨戸やシャッターを閉めると家の中が暗くなってしまうため、日ごろから閉めておくことは難しいでしょう。
定期的に長期間家を空けることが多い方などは、しっかり雨戸やシャッターを閉めることでセキュリティを向上させることが可能です。
施錠開け
玄関やドアなど施錠していても、キーピッキングなどの方法により解錠して侵入されてしまうケースがあります。
こうした施錠開けへの対策としては、以下のような方法が考えられるでしょう。
・セキュリティ性能の高い鍵に変更する
・補助鍵を設置する
・サムターンを防犯する
・ドアチェーンやドアガードを閉める
それぞれ解説します。
セキュリティ性能の高い鍵に変更する
鍵にもさまざまな種類があり、よりセキュリティの高い鍵に変更することで防犯対策することができます。
鍵の種類には以下のようなものがあります。
・ピンシリンダー
・ディスクシリンダー
・ディンプルシリンダー
・キーレス錠
ピンシリンダー・ディスクシリンダーはギザギザのついた鍵で、ギザギザの形により鍵を施錠します。
ピンシリンダーが片側だけにギザギザのついた鍵、ディスクシリンダーは両側にギザギザのついた鍵です。
これらの鍵は、仮に失くしてしまった場合でも、比較的安価にコピーを作りやすいという特徴がありますが、その分セキュリティ面には不安があります。
特に古い鍵になると、ピッキングされやすくなってしまうため、鍵の交換を検討するのがおすすめです。
一方、ディンプルキーは鍵の表面にくぼみがあるタイプの鍵で、鍵穴内部の構造が複雑なため、ピッキングされにくくなっています。
ピンシリンダーやディンプルシリンダーから鍵を交換する際には、このディンプルキーへの変更を検討するのがおすすめです。
最後のキーレス錠は暗礁番号や指紋認証などの方法により解錠するものです。
鍵穴がないためピッキングに強く、また鍵を持ち運ぶ必要がないという点もメリットとなるでしょう。
補助鍵を設置する
通常の鍵とは別に、外付けで補助鍵をつけるという方法もあります。
現状の鍵を取り外す必要がないため、取り付けが簡単というメリットがあります。
ホームセンターなどで購入して自分で設置することも可能でしょう。
こうした方法で補助鍵を設置する場合には、玄関の形に合ったものかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
なお、補助鍵は玄関ではなくサッシに設置するものもあります。
玄関と合わせて、サッシからの侵入にも対策しておくとよいでしょう。
サムターンを防犯する
サムターンは玄関の内側部分の鍵のことです。
ディンプルキーなどセキュリティの高い鍵に変えたとしても、玄関の内側のサムターンは同じです。
空き巣などで侵入される際、郵便受けなどから特殊な器具を差し込んでサムターンを回して解錠される可能性があります。
こうした、サムターンを回して解錠されることも対策しておくことが大切でしょう。
サムターンの防犯性能を向上させる方法としては、サムターンガードと呼ばれる器具を設置することで、特殊な器具でサムターンからの解錠を防ぐ方法が挙げられます。
また、玄関によってはサムターンを取り外しできるようになっているものもあります。
ドアチェーンやドアガードを閉める
家の中にいるときの防犯対策に限られてしまいますが、ドアチェーンやドアガードを閉めておくことも防犯対策になるでしょう。
万が一玄関を解錠されても、ドアチェーン・ドアガードが閉まっていたら、開けることができません。
夜間、寝ている間に侵入されることを防ぐ方法として等、考えておくとよいでしょう。
空き巣が侵入を諦める理由
警察庁のデータには、空き巣などの侵入者が侵入を諦める理由などが挙げられています。
ここでは、それらのデータについて見ていきましょう。
侵入に5分以上かかると7割が侵入を諦める
警察庁のデータによると、侵入に手間取り、5分超かかると7割が侵入を諦めることが分かっています。
防犯対策するときは、この点を抑え、完璧な防犯対策でなくとも、侵入に時間がかかると思わせるような対策をすることが大切だといえるでしょう。
侵入を諦める理由
次に、侵入者が犯行をあきらめる要素のうち、多いのが次のようなものです。
・声をかけられた
・補助鍵
・犬を飼っていた
・セキュリティーシステム
そのほか、「合わせガラス」や「防犯ビデオ」、「センサーライト」なども入っています。
外側から見て、さまざまな防犯対策が取られている家には侵入しづらいということが分かるでしょう。
また、最も多いのが「声をかけられた」というものです。
日頃からご近所付き合いをしっかりしていれば、不審な人が家の近くをうろうろしていたら、声をかけてくれる可能性は高いといえるでしょう。
まとめ
防犯性の高い住まいをつくるポイントとして、警察庁のデータを参照しながら、よくある侵入経路と防犯対策についてお伝えしました。
住まいの防犯方法にはさまざまなものがありますが、特に重要なものとして挙げられるのが「施錠をしっかりする」ことや「ご近所付き合いをする」ことだということが分かりました。
そのうえで、補助鍵や防犯ガラスなど設備面の工夫も考えていくとよいでしょう。