住宅ローン控除を受け取るには初年度の申請が必要!!用意する書類や申請方法を解説

2023.11.13

「住宅ローン控除の申請方法は?」「どのくらい受け取れるの?」このように、住宅ローンの控除について疑問を抱えている方は少なくないでしょう。

本記事では、住宅ローン控除の申請に必要な書類や、申請方法について解説します。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んだ初年度に申請をすると税金が戻ってくる制度です。

所得税や住民税の控除が適用されるために、住宅ローン控除について理解しておきましょう。

 

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで家を購入した際に年末のローン残高から0.7%を原則に所得税の控除が受けられる制度です。

正式名称で「住宅借入金等特別控除」と呼ばれます。

住宅ローン控除を適用するには、確定申告を行う必要があり、一定の条件を満たさなくてはなりません。

また、2022年には税制改正が行われており、新築住宅に対する控除基準が一部変更になりました。

住宅ローン控除の理解を深めるために確定申告に必要な条件や受けられる控除額について詳しく解説します。

 

確定申告が必要

住宅ローン控除を受けるには、まず確定申告が必要です。

確定申告は、1年間の所得を計算して税務署に所得税がいくらになるかを申告します。

会社員で確定申告をしたことがない方もいるかと思いますが、それは会社で年末調整として行っているからです。

 

しかし家を購入した初年度は、ご自身で税務署へ行き確定申告を行う必要があります。

確定申告の申請時期は、家に住み始めた日の翌年1月1日〜3月15日までで、住宅地を管轄する税務署で手続きが可能です。

初年度の申請は準備が大変ですが、2年目以降は楽になるので忘れずに行いましょう。

 

控除に必要な条件

住宅ローン控除を申請する際の条件は下記の通りです。

 

【工事完了後または取得した日から、6ヶ月以内に入居していること】

控除を受ける条件として本人が自ら住むことが決められています。

土地のみの購入や、投資目的では適用されません。

 

【住宅ローンを10年以上であること】

借り入れした住宅ローンが10年以上でないと控除が受けられません。

また、適用中に繰り上げ返済などでローン期間が10年以下になった時点で適用は受けられなくなります。

 

【控除を受ける年の所得金額の合計が2,000万円以下であること】

合計所得金額が2,000万円以上になった年は控除を受けられません。

合計所得金額は、給与所得、不動産所得、譲渡所得、雑所得の合計です。

 

【床面積が50㎡以上であること】

マンションの場合、階段や通路は含まない専有部分の床面積のみで判断します。

 

【1982年以降に建築された新耐震基準適合住宅であること】

中古住宅を購入した場合も、1982年以降に建築された住宅であれば控除を受けられます。基準を満たしていることが証明できる、耐震基準適合証明書や住宅性能評価書の取得が必要です。

 

住宅ローン控除の適用を受けるには上記の条件を満たす必要があるので把握しておきましょう。

 

控除される金額 

控除される金額の計算方法は「年末の住宅ローン残高×0.7%(控除率)=控除額」です。

控除率は一律で0.7%で、控除額は住宅の種類によって変わります。

原則として、所得税から控除される住宅ローン控除ですが、控除しきれない場合には住民税からの控除も可能です。

住宅ローン控除の申請を行っていれば、特に何の手続きも必要ありません。

また、控除期間は10年か13年と住宅の種類によって変わります。

控除率は一律ですが、新築か中古かで控除期間が違うので下記の表を参考にしましょう。

 

住宅の種類 控除率 2022~2023年入居

最大控除額

(借入限度額)

2024~2025年入居

最大控除額

(借入限度額)

控除期間
新築 長期優良住宅・低炭素住宅 0.7% 35万円

(5000万円)

31.5万円

(4,500万円)

13年
再販(中古) ZEH水準省エネ住宅 0.7% 31.5万円

(:4,500万円)

24.5万円

(4,500万円)

省エネ基準適合住宅 28万円

(:4,000万円)

21万円

(:3,000万円)

その他の住宅 21万円

(3,000万円)

適用なし
既存住宅(中古) 長期優良住宅・低炭素住宅

ZEH水準省エネ住宅

省エネ基準適合住宅

0.7% 21万円

(3,000万円)

10年
その他の住宅 14万円

(:2,000万円)

 

例えば、2022年に新築で購入した自宅があると想定してシミュレーションします。

住宅ローンの残高が4,000万円の場合、控除額は28万円です。

納付するべき金額の所得税は全額還付され、残りの控除額から住民税の限度額分が引かれます。

最終的な控除額は、所得税全額と、住民税の限度額を合わせた金額です。

そのため、残りの税金を納付することになります。

 

例)4,000万円×0.7%=28万円

 

所得税が10万円で住民税が15万円だとすると、控除額は所得税から適用されるので残りの控除額は18万円になります。

さらに、控除しきれない分を住民税から最大控除額の9.75万円が控除されると、残りの住民税の5.25万円が最終的に納める金額です。 

 

所得税:10万円

住民税:15万円

納めるべき金額:25万円

 

控除額28万円−所得税10万円=控除額18万

控除額18万円−住民税9.75万円=納付金額5.25万円

 

 

確定申告に必要な条件や控除額を把握して、上記を参考に住宅ローン控除の申請を行いましょう。

 

住宅ローン控除の注意点

住宅ローン控除を受ける際は以下の様な場合に注意することが2つあります。

 

・省エネ基準適合住宅である
繰り上げ返済を利用する

 

実際に、どのように注意が必要なのか下記で解説します。

 

【省エネ基準適合住宅である】

2022年より制度改正によって省エネ性能が必須になりました。

2024〜2025年以降に新築を購入した場合は、長期優良住宅認定制度の基準をみたさなければ住宅ローン控除は適用外となります。

省エネ性能の基準をクリアすると省エネ基準適合住宅に該当することを証明する書類が必要です。

 

省エネ性能とは環境に配慮した住宅かどうかがポイントになっており、自宅に太陽光発電や高効率給湯器、消費エネルギーを抑える機能が備わっているかが条件になっています。

住宅は、「長期優良住宅・低酸素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」の3種類あるので、自宅がどの基準に適用されるのか注意しておくと良いでしょう。

 

【繰り上げ返済を利用する】

繰り上げ返済とは、毎月の住宅ローンとは別にまとまった金額を支払うことが出来る制度です。

繰り上げ返済をすることで、住宅ローンの返済期間が短くなり返済の負担を軽減することが出来ます。

また返済には、期間短縮型と返済額軽減型の2つに分けて繰り上げることが可能です。

 

時間短縮型は、返済額は変えずに返済期間を短くして利息を減らします。

しかし、住宅ローン控除を受けるためには10年以上のローンを組むことが条件です。

繰り上げ返済を行うことで10年以内になった時点で控除の対象から外れるので注意しましょう。

返済額軽減型は、返済期間は変えずに毎月の返済額を減らす方法です。期間は変わらないため、定年後にも返済額が残る可能性があります。

 

これらの繰り上げ返済はメリットもありますが、実は住宅ローン控除を利用している場合はあまりおすすめできません。

住宅ローン控除の控除率は0.7%なので、住宅ローンをそれより小さい金利で借りると、利息より控除額のほうが大きくなる場合があります。

住宅ローン控除でより多くの控除額を受けたいのであれば、損してしまうため繰り上げ返済は行わないほうがいいです。

 

上記の注意点を理解した上で、住宅ローン控除の申請へと進みましょう。

 

住宅ローン控除までの流れ

住宅ローン控除を受けて、入金されるまでの流れは下記の通りです。

 

1.必要書類を集める
2.
書類を税務署に提出する
3.
還付金が入金される

 

入金まで3ステップと簡単そうに見えますが、準備するものが多く期限も決められているため、しっかり頭に入れておく必要があります。

以下でそれぞれ解説します。

 

必要書類を集める

必要書類

住宅ローン控除を受けるにはいくつか必要な書類があります。

書類の取得には時間がかかるものもあるので、確定申告を行う2〜3月より前に余裕を持って準備をしましょう。

 

書類を税務署に提出する

書類の準備が出来たら、税務署の窓口に提出します。

提出方法は、税務署に直接持参するほかに、郵送やオンライン申請のe-Taxを利用する方法があるので自分の都合に合ったもので提出が可能です。     

還付金が入金される

必要な書類を提出後、審査が行われて還付金が入金されます。

審査には1ヶ月〜1ヵ月半くらいかかるため、すぐには入金されないので覚えておきましょう。

また、オンライン申請のe-Taxを利用した場合は、申請後3週間ほどで入金になるので少し早く受け取れます。

 

住宅ローン控除申請の必要書類

申請には用意する書類がいくつかあるので1つずつ見ていきましょう。

 

確定申告書

税務署、または国税庁のwebサイトから印刷します。

確定申告書には、【A】の会社員用と【B】の個人事業主用の2種類があるので確認しましょう。

 

本人確認書類の写し

本人確認には、マイナンバーが記載されている書類を用意しましょう。

マイナンバーカードを持っている方は表裏のコピーを提出します。

通知カードの方は表裏のコピーと運転免許証などの本人確認書類のコピーも合わせて必要です。

 

源泉徴収票

源泉徴収票は、12月末〜1月に勤務先で発行されます。

2019年から源泉徴収票の用意は必須ではありませんが、税務署から指示をもらう可能性があるため念のために用意しておきましょう。

無くしてしまった場合は勤務先で再発行をしてもらいましょう。

 

住宅借入金等特別控除額の計算明細書

住宅ローン控除の計算専用の用紙で、住宅ローン残高や入居開始日などを記載します。

入手先は、税務署で受け取れるので確定申告書と併せてもらうといいでしょう。

確定申告書と同様にwebサイトから印刷も可能です。

 

住宅ローンの年末残高証明書

年末残高証明書は借り入れをしている金融機関から送付してもらえます。

住宅ローン残高が記載されている書類です。

住宅ローン初年度は、翌年の1月下旬ごろに自動的に発送されます。

 

登録事項証明書

法務局で発行される土地や建物の情報が記載された書類です。

窓口で受け取るほかに、オンライン請求で交付してもらう方法があります。

交付費用は、窓口で受け取りの場合600円で、オンラインの場合の受け取りは480円、郵送は500円です。

 

不動産売買契約書の写し

不動産会社からもらえる、家を購入したときの契約書です。

また、土地を購入して新築を建てた場合は、工事請負契約書のコピーも必要なので忘れずに用意しましょう。

 

住宅ローン初年度に申請を忘れた場合

初年度に住宅ローン控除の申請を忘れてしまっても、5年間の申告期限内であればさかのぼって控除を受けることができます。

しかし、5年以上経ってしまうと申請ができないため注意が必要です。

 

また、申告を行う際は借り入れした年からのすべての確定申告書類を用意しなくてはなりません。

必要書類を用意して税務署で手続きをしましょう。

 

住宅ローン控除2年目以降の手続き

住宅ローン控除の2年目以降は、年末調整で申告が可能になります。

今後の必要書類は「住宅ローンの残高証明書」と「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」の2種類です。

2年目以降は、年末調整の書類と一緒に勤務先に提出しましょう。

 

また、年末調整を忘れてしまった場合でも確定申告をすることで控除が受けられます。

年末調整だけなら税務署にも行かず簡単に申告ができるため、毎年忘れずに提出しましょう。

 

住宅ローン控除と併用可能なふるさと納税

住宅ローン控除とふるさと納税は、併用して控除を受けることができます。

ふるさと納税の基礎知識と、お得なワンストップ特例制度について解説します。

 

ふるさと納税

ふるさと納税とは、自身で選択した自治体に寄付をする制度です。

寄付金の最低自己負担額の2,000円を除き、それ以外の寄付金から所得税や住民税が控除されます。

寄付をすることで返礼品や特産品などが受け取れるとして、最近では利用する方が増えてきているようです。

 

また、確定申告をして住宅ローン控除と併用する場合はふるさと納税分から控除が適用されます。

その場合、所得税が減ることになるため、同じく所得税から控除される住宅ローンは額が減ってしまう可能性があるので注意しましょう。

 

ワンストップ特例制度

ワンストップ特例制度とは、確定申告を行わずに控除を受けられる制度です。

確定申告を行うと所得税から控除されますが、ワンストップ特例制度の場合は住民税から適用されます。

よって、ワンストップ特例制度を利用すれば、住宅ローン控除と併用した場合でも最大限に控除を受け取れるでしょう。

 

また、申請期限は自治体にふるさと納税をした翌年の1月10日までです。

期限までに申請書類を送る必要がありますが、もし期限に間に合わなかった場合でも、確定申告を行えば控除の対象になります。

 

まとめ

家を購入したら住宅ローン控除の申請をしましょう。

申請には、家に住み始めた初年度の確定申告が必須で、申請が通ると納税額が少なくなります。

初年度に確定申告を行うことで2年目以降は手続きが楽になるので、必ず行いましょう。

また、申請にはいくつか書類の準備が必要になります。

書類の中には、取得するまでに時間がかかるものもあるので、余裕を持って準備が必要です。

 

さらに、住宅ローン控除と併用して、お得に控除を受けられる「ふるさと納税」の制度があります。

自ら寄付した金額から、税金が控除される仕組みです。

住宅を購入した場合に受けられる制度をしっかり理解することで、最大限に控除を受け取れることでしょう。

分からないことがあれば、税務署で相談できるので問い合わせることをおすすめします。

 

マガジン一覧