靴やコートなどをしまう際、シューズクロークが役に立ちます。
玄関に隣接する収納スペースで、靴を履いたままものを取り出せるのが強みです。
戸建てで設置する人が多いですが、マンションでも設置している物件があります。
本記事では、シューズクロークを設置するメリット・デメリットや種類、ポイントなどを解説します。
これから物件を注文する人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
シューズクロークとは?下駄箱との違いについて
シューズクロークは玄関で靴を収納する役割があり、下駄箱も同様の役割です。
しかし、細かな点を比較すると、シューズクロークと下駄箱に違いがあります。
高い収納力を求めている人は、下駄箱よりもシューズクロークのほうがおすすめです。
どのような違いがあるか、見てみましょう。
シューズクローク
シューズクロークとは、玄関の周りに設置してある収納スペースです。
玄関に隣接していて、靴を履いたまま傘やコート、スポーツ用品などを置けます。
クローク(cloak)の意味は外套(がいとう:防寒のために着る外衣)で、手荷物や上着を管理する場所です。
例えば野球で使うバットやグローブ、自転車の空気入れ、庭の芝を刈る小型の芝刈り機などを置くために使います。
外で使うものや汚れているものを置けて、玄関がすっきりするのが良い点です。
下駄箱
下駄箱とは、靴を収納するスペースです。
イメージは登校・下校で使っていた学校の下駄箱ですが、家庭で使う場合はより大きな高さと広さを持ちます。
例えば少し長めのブーツを収納するために、広々とした下駄箱もあるほどです。
下駄箱ではシューズクロークのように、靴以外を収納するスペースがありません。
シューズクロークの設置をおすすめするパターン
シューズクロークを設置する場合、おすすめするパターンがいくつかあります。
どのような設置にしようか悩んでいる人は、趣味や家庭の状況などに合わせて、以下のパターンを参考にしてみてください。
アウトドアレジャーが趣味
自然の空間のなかで余暇を過ごすアウトドアレジャーを趣味とする人は、シューズクロークがおすすめです。
登山やバーベキュー、海水浴などに使うものを収納できます。
外で使ったものを部屋に入れないため、リビングや洗面所など汚れずに済むのが強みです。
アウトドアレジャーに行く日に、靴を履いてそのままシューズクロークから必要なものを取り出せます。
スポーツが趣味
スポーツが趣味な人は、シューズクロークがあると部屋の中が汚れずに済みます。
テニスラケット、サッカーボール、バットなど、場所を取る大きなものでも収納可能です。
サイクリングをスポーツとして楽しんでいる人であれば、自転車もシューズクロークに置けます。
シューズコレクションが趣味
シューズコレクションが趣味の人であれば、シューズクロークを活用して多くの靴を収納できます。
限定のモデルや廃盤のモデルなど、そのまま玄関に置いてしまうと、踏まれたり汚れたりする可能性が高いです。
シューズクロークに棚を作れば、お店のように陳列ができて、安心して靴を管理できます。
赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭
赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭は、シューズクロークがあると便利です。
例えば赤ちゃんがいる場合、ベビーカーを収納できます。
双子の赤ちゃんがいて双子用のベビーカーを持っている家庭は、広めのシューズクロークにすと利用しやすいです。
小さな子供がいる家庭は、外で使う遊び道具をしまえます。
庭や近所の公園などに遊び道具を持っていく際、シューズクロークからすぐに取り出せるのが良い点です。
季節用品の収納
季節用品を収納するとき、シューズクロークがあると出かけるまでがスムーズになります。
シューズクロークの本来の使い方として、防寒のために着る外衣を管理するためのスペースです。
例えば冬に着る温かいコートをシューズクロークに収納しておけば、靴を履いて出かける際に着れます。
大きな姿見を用意しておけば、出かける前の最終チェックもできるためぜひ参考にしてみてください。
鞄やスーツケースの収納
鞄やスーツケースなどは、シューズクロークに収納しておくと部屋が汚れません。
特にスーツケースのキャスターは汚れやすいため、シューズクロークでの保管が最適です。
鞄も旅行用で使う際、清潔な場所に置いているとは限りません。
旅先で汚れてしまうため、シューズクロークで保管しておくと外の汚れを部屋に持ち込まずに済みます。
シューズクローク設置のメリットとデメリット
シューズクロークを設置すると、メリットが得られる反面、デメリットもあります。
家づくりや部屋選びなどでシューズクロークの利用を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
後悔しないために、デメリットを許容できるかで判断してみると良いでしょう。
メリット
シューズクロークのメリットは、外で使うものを1か所にまとめて収納できる点です。
外で使うものを部屋のなかに入れてしまうと、靴を履いたときに靴を脱いで取りにいかなければなりません。
しかし、シューズクロークがあれば、靴を履いたままものを取り出せます。
外で使うものをシューズクロークにしまえば、玄関が散在しません。
玄関がすっきりして見えることで、来客の良い印象を与えられます。
靴のコレクションやベビーカー、傘などを収納しておくと、玄関が広く感じるでしょう。
特に外で使う持ち運びが困難な重いものは、シューズクロークに置くと取り出しがしやすくて便利です。
デメリット
シューズクロークのデメリットは汚れや埃などが溜まったり、湿気で臭いこもったりする点です。
外から帰ってきたとき、土や泥汚れなどを持ってきて、玄関が汚れてしまいます。
「靴を履くところだから掃除をしなくていい」と思ってしまうと、玄関が清潔に保てません。
また、湿気で臭いがこもってしまうため、清掃だけではなく換気も必要です。
これから戸建てを購入する人でシューズクロークの設置を検討している人は、換気扇や小窓の設置を検討しておきましょう。
収納スペースの間取りなどを含めて相談しておくと、予算がどれくらいかかるかがわかります。
シューズクロークの種類
シューズクロークの種類はいくつかのタイプに分かれています。
部屋の構造によって名称が変わるだけであり、機能性はほとんど変わりません。
生活スタイルに合わせてどちらのシューズクロークのほうが良いか、検討してみてください。
合わせて種類別でシューズクロークを使う際、メリット・デメリットも確認しておきましょう。
ウォークイン
ウォークインタイプとは、出入り口が1か所のみに設計された間取りです。
出入り口が1か所のため、家族も来客する人も同じ動線を通ります。
扉が付いているクローゼットタイプでなければ、来客する人にシューズクロークが見られてしまうでしょう。
シューズクロークの中が見られたくない人にとって、デメリットの設計です。
しかし、玄関の間取りが狭くても設置できるため、費用を抑えられるメリットがあります。
家の面積を限られている人や、来客の人に見られても平気な人は、ウォークインタイプでも問題ありません。
あまり見られたくない人は、カーテンを設置して見られないような工夫をすると良いでしょう。
ウォークスルー
ウォークスルータイプとは、出入り口が2か所に設計された間取りです。
玄関の扉を開けてそのまま靴を脱いで部屋に上がる動線と、玄関の扉を開けてシューズクロークを通って、靴を脱ぐ動線があります。
来客する人には玄関からそのまま靴を脱いで部屋にあがってもらえば、シューズクロークを見られる心配がありません。
家族は必要に応じてシューズクロークの動線を通ればいいため、玄関がいつでもスッキリとした印象を与えられるメリットがあります。
ただし、ウォークスルータイプのシューズクロークは、広い間取りが必要です。
間取りが広くなると費用がかかるデメリットがあるため、予算とすり合わせながら利用を検討してください。
シューズクロークの扉は有り?無し?
シューズクロークの利用において、扉を付けるかどうかを悩む人が多いです。
いわゆる扉が有りのクローズタイプか、扉が無しのオープンタイプかで迷われます。
どちらもメリットとデメリットがあるため、一概にどちらか一方を勧められません。
生活スタイルに合わせて、扉の有無を検討してください。
クローズ(扉付き)
クローズ(扉付き)の場合、外から見られないメリットがあります。
シューズクロークの中を見られたくない人は、開け閉めができる扉付きがおすすめです。
ただし、扉付きの場合、手がふさがっている状態では不便に感じるでしょう。
例えば外出のためにベビーカーを使い、帰宅してベビーカーを収納する際、赤ちゃんや荷物を抱えたままでは不便です。
他にも来客する機会が少ない家庭であれば、扉を着けなくても開けっ放しが良いと思う家庭もいるでしょう。
またクローズは扉が付くため、その分費用がかかります。
何を収納するのか、本当に必要なのか、どのような使い方をするのかなどを考えて利用を検討してみてください。
オープン(扉無し)
オープン(扉無し)の場合、玄関の扉を開ければそのまま収納できるメリットがあります。
両手が塞がっている状態でも、すでにシューズクロークの扉が開いているため、収納がスムーズです。
扉が開いていればこもりにくくなり、嫌な臭いが発生しにくくなります。
シューズクロークからものの出し入れをする頻度が多い人の場合、扉無しのほうが生活スタイルに合うでしょう。
扉を設置する費用がかからず、予算を抑えたい人に向いています。
ただし、オープンにしていれば来客する人に見られる可能性が高いです。
中を見られたくない人にとって、扉無しはデメリットといえます。
向き不向きがあるため、利用前にどのようなものを収納するのかを決めておくと良いでしょう。
シューズクロークを設置しよう!
シューズクロークを設置する際、生活スタイルに合わせて場所を決めておく必要があります。
収納する量や大きさなどによって、どのようなシューズクロークにするかが決まるからです。
また、シューズクロークの注意事項もあるため、配慮しながら利用していきましょう。
動線を考えて設置する
動線を考えておけば、後悔の無いシューズクロークを設置できます。
家から靴を履いて出かけるとき、帰宅して部屋のなかに入るときをイメージしてください。
例えば赤ちゃんがいる家庭であれば、ベビーカーを収納しておくとスムーズに出かけられます。
さらにオープン(扉無し)であれば、玄関の扉を空けてそのままベビーカーを収納できます。
動線を考えてどのようなシューズクロークが必要なのか、計画を練ってから設置を決めるのが最適です。
無計画に広さが適していないシューズクロークを設置してしまうと、不便な生活になって活用しにくくなります。
シューズクロークの設置サイズ
収納する量や大きさに合わせてシューズクロークの設置サイズを決めると、利用しやすい環境が整います。
例えば野球をする子どもがいる家庭では、バットやグローブ、スパイクなどを収納するスペースが必要です。
他にも釣り竿やキャンプ用品などを、収納する予定の量や大きさで幅を取る場合は、広めに設置すると良いでしょう。
あまり収納する予定がなければ、玄関を狭くして部屋の間取りを広めにしたほうがおすすめです。
少なくとも、靴や傘は生活するうえで収納するため、必要最小限で何をしまうかを決めておきましょう。
設置する際の注意事項
設置する際の注意事項として、定期的な換気を徹底してください。
換気するだけで空気が入れ替わり、湿気や臭いがこもりにくくなるからです。
そのままの状態で放置してしまうと、溜まった湿気でカビや雑菌が繁殖します。
例えば温かい季節になって、冬に着ていたコートをクローク内に入れてしまうと湿気が溜まりやすいです。
冬に着る、春に脱ぐ、夏は放置して秋の寒くなった時期に着るとツンとした悪臭が漂います。
さらに扉付きのクローズタイプのシューズクロークを選ぶと、湿気や臭いがこもりやすいです。
換気扇や小窓などを設置して、空気の入れ替えができる環境を整えておきましょう。
カビや雑菌が繁殖して困るお気に入りのコートは、クリーニングに出して圧縮袋に入れておくと安心です。
外気に触れず、湿気がこもる心配がありません。
シューズクロークの設置事例
戸建てタイプとマンションタイプによって、シューズクロークの設置の仕方が異なります。
戸建てタイプは汎用性が利きやすく、マンションタイプはコンパクトな物件が多いです。
どのような設置事例があるのか、1つずつ確認していきましょう。
戸建ての場合
戸建ての場合、注文住宅で自由に計画を練られる魅力があります。
そのため、戸建ての面積によって設置事例が豊富です。
例えば大家族が住む戸建てでシューズクロークを設置する場合、大容量のものが収納できるスペースが向いています。
おじいちゃんおばあちゃんが使う外出用の車いす、赤ちゃんが使うベビーカーはかなりのスペースを確保しなければなりません。
さらにアウトドアレジャーが趣味な人は、サーフボードやキャンプで使う鉄板などをしまいます。
何を収納するスペースなのか、将来的に収納するものは増えるかなどをイメージすると、シューズクロークの設置がしやすいです。
マンションの場合
古いタイプのマンションではなかなかありませんが、新築マンションやリノベーションした中古マンションにもシューズクロークがあります。
間取りは玄関と同等の広さで、戸建てと比べるとコンパクトに感じるほどのスペースです。
しかし、収納するものが少なければ、スッキリとした広さを感じられます。
靴や傘、スーツケースなどは問題なく収納できるでしょう。
シューズクローク付きのマンションを探している場合は、不動産会社に条件を伝えてみてください。
まとめ
シューズクロークを設置する際、何を設置するのかを計画立てておくのが重要です。
イメージに合わせて必要なシューズクロークの広さを決めてから、戸建てやマンションで契約するとリスクを抑えられます。
具体的には動線や設置サイズなどで、事例をもとに設置を考えながら物件を選んでください。
まずは不動産会社にシューズクロークがある物件と条件を伝えて、最適な住まいづくりを目指しましょう。