木造住宅のシロアリ対策は必要?無駄?費用や自分で行えるのかを徹底調査

木造住宅をと考えた時、シロアリ対策は必須です。

シロアリにとって木材は「大好物」です。

住人のことなど構わず、「好物」をむさぼることで家屋に大きなダメージを与えます。

何も対策を行わなければ、大切な住まいがシロアリの餌食となるだけです。

一方で、対策を講じたところで結局はシロアリ被害が出るので無駄なのではないかとの声もあります。

果たしてシロアリ対策は必要なのか、必要であれば費用や自分で行えるのかなどを徹底調査しました。

 

シロアリ対策の難しさとは?

シロアリ対策は必須である一方、簡単ではない点が「難しい」と感じる人が多い理由です。

手軽に行うだけで効果を出せるものであれば良いのですが、実際にはシロアリ対策そのものが無意味になってしまうこともあります。

「シロアリ対策は無駄」だと感じる人がいるのも、対策を講じても意味がないからこそで、裏を返せばシロアリ対策が如何に難しいものなのかを現しています。

 

目に見えない部分の対策だから

シロアリ対策が難しい理由の一つに、目に見えない部分の対策である点が挙げられます。

目に見える部分であれば、状況を簡単に把握できます。

シロアリの捕獲状況を簡単に確認できるため、効果があれば継続を、効果が無いようであれば対策を変更することができますが、実際には目で見ることができない部分です。

そのため、探り探りで対策を行う必要があります。対策を講じたら、こまめにシロアリ被害が出ていないかを確認しなければなりません。一度対策を講じて終わりではないため、手間がかかります。

 

言い聞かせることができない

当たり前の話ではありますが、シロアリは言い聞かせることはできません。

そのため、シロアリ対策はシロアリの行動特性を理解しシロアリが罠にかかるような対策を講じる必要があります。

しかし対策が必ず実を結ぶとは限りません。

何らかのミスがあった場合には、対策空しくシロアリ被害が発生します。

 

そもそもシロアリとは?

シロアリが木造住宅に被害を及ぼす昆虫であることは多くの方がご存知でしょう。しかし、それ以上のことはよく分からない方も多いのではないでしょうか。

シロアリ対策を講じるためには、まずはシロアリがどのような特徴を持つ昆虫なのかを知ることも大切です。

 

シロアリの特徴

シロアリは名前からアリの仲間だと思っている方も多いようですが、実はゴキブリの仲間です。

似た名称の「クロアリ」はハチの系統ですが、シロアリはゴキブリの系統で、暗く湿気・暖気がある場所を好みます。

繁殖力も強く、一つの巣に数千~数万の卵があるとされているため、増殖のスピードが早いです。

そのため、数匹いることが確認された場合、早急に対策を講じなければシロアリが爆発的に増加します。

 

シロアリの種類

シロアリは4種類存在しています。微細な存在で目視が難しい点や、「シロアリ」と語られることが多いですが、4種類存在します。

・ヤマトシロアリ:北海道の北部を除く、日本国内広域に生息し、多くの木造住宅に被害を与えているシロアリ
イエシロアリ:関東よりも西南に生息しているシロアリで、ヤマトシロアリ同様繁殖速度が速い、危険性の高いシロアリ
アメリカカンザイシロアリ:全国に点在し、建物下部材だけでなく、小屋組材まで害を加えるシロアリ
ダイコクシロアリ:奄美大島以南の南西諸島と小笠原諸島に分布しています。湿気を嫌い、乾燥を好みます。また、水がなくても生活できることから、他のシロアリとは異なり、乾燥した木材にも生息します。

このように、シロアリは4種類存在します。

特性からも分かるように、ダイコクシロアリのみ少々個性が異なります。

 

鉄筋コンクリート造でも注意が必要?

「シロアリに被害は木造住宅のみ」

このようなイメージをお持ちの方も多いことでしょう。

しかし、シロアリは鉄筋コンクリート造にも被害を与えることがあります。

例えばシロアリは木の食物繊維の主成分であるセルロースが好物ですが、近年、セルロースは断熱材に使用されていることから、被害が出る可能性があります。

他にも金属ケーブルやコンクリートの基礎も、食べはしないものの蟻道(シロアリの通り道)をつくるために穴を開けることがあります。

他にも段ボールや新聞紙、衣類も好むことから、「鉄筋コンクリート造はシロアリ被害に遭わない」とは言い切れません。

 

木造住宅のシロアリ対策は新築時に行うと良いらしい?

新築時こそ、シロアリ対策が重要です。

詳しくは後述しますが、入居後もシロアリ対策は可能ですが、新築時のみにしか行えない対処法もあることから、新築時の対策が重要です。

 

建築基準法で定められている

シロアリ対策は、決して「自己責任」ではなく、建築基準法で定められているものです。

防蟻対応として、「木造建築の地面から1メートル以内の柱、筋交い・土台などの部分に必要に応じて防蟻処理を行うこと」と明記されています。

つまり、この点に関しては「新築時が好ましい」ではなく、「新築時に行うべきシロアリ対策」となります。

 

新築時のみにしかできない対策もある

シロアリ対策は多々ありますが、新築時にしか行えない対処法や、新築時にシロアリ対策を意識することで、後から対策を行いやすくすることもできます。

具体的に、新築時のみ可能なシロアリ対策として下記が挙げられます。

・シロアリ被害の点検を行いやすいつくりにする
シロアリの侵入経路になりそうな場所に対策を行う
バリア工法を施す
防蟻処理を施した構造木材・断熱材を使用する
シロアリが敬遠する木材を使用する
床パネル下面に防蟻シートを張る

これらは、建てた後にはできないことから、新築時にこそ行うシロアリ対策となります。

 

新築時に可能な木造住宅のシロアリ対策

新築時のみ可能なシロアリ対策があるとお伝えしましたが、それぞれについて具体的に解説していきましょう。

 

シロアリ被害の点検を行いやすいつくりにする

シロアリ被害は気付きにくいことが特徴です。

自覚する頃には既に甚大な被害が生じているケースが多いことから、こまめにチェックできる作りとすることが大切です。

この点は後からの相違・工夫ではできないため、新築時に意識しなければなりません。

 

シロアリの侵入経路になりそうな場所に対策を行う

シロアリの特性を踏まえると、侵入経路となるのは下記です。

・基礎の立ち上がり
基礎の打ち継ぎ部分
配管貫通部
玄関ポーチ

これらシロアリの侵入経路は継ぎ目を塞いだり、柱の下にコンクリートを流し込むこと、さらには防蟻剤を含んだウレタン・シーリングで隙間を塞ぐなどの手法が考えられます。

 

バリア工法を施す

柱・土台や床下にネオニコチノイド系やホウ酸系の薬剤を散布するバリア工法も新築時のみ可能です。

リフォーム時に可能な部分もありますが、柱や土台の奥・隅までは新築時のみしか散布できません。

 

防蟻処理を施した構造木材・断熱材を使用する

構造木材や断熱材に防蟻薬剤を注入することでシロアリを寄せ付けません。

加圧注入にて防蟻処理を行った構造木材は、半永久的に効果が期待できますが、この手法も新築時のみ可能な対策です。

 

シロアリが敬遠する木材を使用する

シロアリは木材を好みますが、檜、杉、ケヤキ、チーク、ヒバ、ローズウッドなど苦手としている木材もあります。上記の木材にはシロアリが嫌がる天然成分があり、他の木材と比べると被害を受けにくいです。

ただし、あくまでも「受けにくい」であり、完全な対策を意味するものではないため、他の対策との併用が好ましいです。

 

床パネル下面に防蟻シートを張る

シロアリの侵入経路の一つである床下に、防蟻シートを張ることでシロアリの侵入防止となります。

注意点として、安全性が核にされている薬剤や天然成分を注入した防蟻シートを使用することです。

安全性が確認されていない場合、シロアリ対策にならないだけではなく、人体にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

入居後にも可能な木造住宅のシロアリ対策

新築時にしかできないシロアリ対策もありますが、入居後にできるシロアリ対策もいくつかあります。

 

バリア工法

新築時にも行うバリア工法とは異なり、入居後のバリア工法は柱に穴を開け、薬剤を注入します。

予防ではなく、既に木材や壁の中に侵入しているシロアリを退治するための対策です。

 

ベイト工法

駆除剤を混ぜた餌をシロアリが通る蟻道に設置することで、シロアリの集団をせん滅するための対策です。

シロアリは餌を見つけるとその場で食べるだけではなく、仲間を呼び、巣に持ち帰る習性があります。

そこでエサの中に駆除剤を混ぜることで、シロアリにとっては「害」となるエサをシロアリの巣に持ち帰らせ、その餌を食べた巣の中にいるシロアリを退治する手法です。

 

薬剤散布

床下や基礎、目視できる木材や壁に薬剤を散布します。散布の際、人体に害があるものは控えましょう。

また、あくまでも目視できる部分のみにしかできませんが、何も行わないよりは効果が期待できます。

 

木造住宅のシロアリ被害の初期症状は?

シロアリ被害は気付きにくい点が特徴です。

自宅に違和感を覚えてチェックした時点で、既にシロアリ被害は進行しているケースが一般的です。

しかしシロアリ被害の初期症状・兆候もいくつかあります。

ここでは木造住宅におけるシロアリ被害の初期症状や兆候を紹介します。

 

蟻道がある

シロアリの通り道である蟻道がある場合、高い確率でシロアリが存在します。

具体的には、茶色い土のトンネルです。

土壌や木材のカス、さらにはシロアリの排泄物や分泌物などをセメントのように塗り固めて作られたもので、明らかに木造住宅の設備ではないので一目で分かるはずです。

 

壁を叩くと空洞音がする

壁を叩いた際に空洞音がする場合はシロアリによって木材に被害が出ている可能性があります。

なぜなら、シロアリが食べたからこそ空洞化しているからです。

叩いた際、「ドス」ではなく、まるで中が空洞かのような軽い音がした場合、より詳しくチェックしてみましょう。

 

ドア・雨戸等の開閉のすべりが悪くなる

シロアリが土台の木材を食べることで、家の構造を不安定にします。

結果、緻密に作られているドアや雨戸の開閉に支障がでます。

ドアや雨戸側に問題が見当たらないものの、開閉がスムーズに行われない場合、構造に何らかの問題がある、つまりはシロアリによる被害である可能性が高いです。

 

近所がシロアリ駆除を行っていた

近隣でシロアリ駆除を行うと、シロアリ駆除を行った家のシロアリが退治されます。

しかし、脱出するシロアリもいます。

脱出したシロアリは新たな「住処」を探し、自宅に住み着いてしまう可能性があります。

迷惑な話ではありますが、法的な過失を問えないので自らシロアリを退治しなければなりません。

 

まとめ

まとめ①

木造住宅になぜシロアリが出るのかや、シロアリ対策についてをまとめてみました。

木造住宅の場合、シロアリにとっては「格好のターゲット」です。

しかし、対策を行うことである程度はシロアリ被害を食い止めることができます。

新築時の対策が大切ではありますが、入居後に行えるシロアリ対策もあります。被害の兆候に気付いたら、すぐにでも対策を行いましょう。

 

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