「子どもがいる家はどんなことに気をつけて考えたらいいの?」
「家事がもっと楽になるのはどんな家?」
このように、家を建てる時に間取りについて悩む方もいるでしょう。
家事や育児がしやすい家にするには、いくつかポイントがあります。
また育児中だけでなく、老後のことまで考えながら決めていくことが重要です。
先のことまで考えることで、本当に必要な造りかどうかをじっくり判断することができます。
いつまでも快適な暮らしができるように素敵な家づくりをしましょう。
目次
家事・育児をしやすい家とは?
家事や育児がしやすいと感じる家の特徴は以下の通りです。
・生活動線がしっかりしている
・家族とのコミュニケーションがとりやすい
・家事がはかどるスペースがある
・収納がたっぷりできる
上記の様に、「こんな家なら住みやすそう」と考える家庭も多いことでしょう。
実際に、生活動線がしっかりしていると家事はスムーズに進みます。
自分に必要なものは動線なのか収納なのか、それぞれ重要度を把握することが大切です。
ただ単に、「周りが良いと言っていたから」といった理由で決めないようにしましょう。
実際には必要なかった部屋を作ってしまうと後で後悔してしまうため、自分に合った家を理由も考えながら決める必要があります。
家事や育児がしやすい家とはその家庭によって定義が変わるため、上記の様な特徴は参考程度に考えておくと良いでしょう。
家事・育児の親の悩み5選
親は家事や育児においてたくさんの悩みを抱えています。
家事や育児を楽にするには、具体的に何が問題なのかを明確化しましょう。
下記では、世の中の親たちが考える代表的な暮らしの悩みを紹介します。
悩み①子どもの行動が見えない
料理をしていると、キッチンから子どもの姿が見えずに心配になる親が多いです。
子どもが小さい頃は何をしでかすか分からないため、なかなか目を離すことが出来ません。子どもを見ながらの家事はなかなか先へ進まずストレスになるでしょう。
悩み②生活動線が悪く動きにくい
親は家事をするうえで、部屋を何度も行き来するなど生活動線が悪くて動きにくく悩むことが多いです。
家の中では料理や洗濯、掃除など毎日なにかとバタバタしています。
子どもが飲み物をこぼせばリビングと脱衣所の往復もするでしょう。
このようなとき、それぞれの部屋が離れていると家事をこなすスピードが遅くなります。
家事を早く終わらせたいと思っている親にとって、生活動線が悪いことはかなりのストレスを感じることでしょう。
悩み③玄関が狭く物で溢れる
子どものいる家族は物が多く玄関が片付かないと悩む方もいるようです。
玄関には、家族の靴や傘のほかにベビーカーや外で遊んだボールやおもちゃなどを置くこともあります。
物で溢れてしまうと玄関スペースが狭くなり、広さが足りないと感じることがあるでしょう。
悩み④コミュニケーション不足が心配
将来、子どもが大きくなったらコミュニケーションはとってくれるのかと悩む方もいます。顔も合わせず部屋に戻ってしまったり、いつの間にか外出していたりといったコミュニケーション不足の心配はどの家庭も一度は考えることでしょう。
子どもが小さい頃はいいですが、成長したときを考えるとどのような間取りにするかを悩む方が多いようです。
悩み⑤老後にも快適な間取りがいい
ご自身の将来の生活を心配して老後も快適な間取りを希望する方は多いです。
いずれは子どもも家を巣立つ時が来ます。
子どものためだけを考えた設計だと、老後に大変な思いをするのはご自身です。
子育てが終わった後も、夫婦で安全に暮らしていける家づくりを目指しましょう。
家事・育児がしやすくなるポイント
家事や育児をしやすくするためには、悩みに沿った解決策の実践が必要です。
上記の親の悩みをもとに、家事・育児がしやすくなるポイントを紹介します。
解決①リビングが見渡せるキッチンにする
悩み①子どもの行動が見えない
キッチンは、リビング全体を見渡せる開放的なスタイルがおすすめです。
視野が広がることで、子どもの行動が見れて安心して生活できることでしょう。
例えば、カウンターキッチンにすることで料理をしながらでもリビングの様子を確認できます。
また、対面式であればいつでも顔を合わせられるので会話が増えたり、お手伝いをしやすいなどのメリットもあるため親子の絆も深まることでしょう。
解決②家事が楽になる生活動線を意識する
悩み②生活動線が悪く動きにくい
家事を効率的にするためには、生活動線を意識して無駄な行動を省くことが近道です。
例えば、キッチンの奥に洗濯機、またその奥にウッドデッキがあるとします。
洗濯が終わったらそのままウッドデッキに洗濯物を干せて、またキッチンにすぐに戻ることが可能です。
行き止まりがない動線なので、スムーズに移動ができて家事が楽になります。
解決③玄関を広くし収納スペースを設ける
悩み③玄関が狭く物で溢れる
玄関の面積を広くし、収納スペースを設けて散らかりの原因をなくしましょう。
散らかりやすい玄関も、収納が多ければすっきりと片付けることが出来ます。
ベビーカーなどのかさばる大きな荷物はウォークスルーにすることで隠す収納が可能です。また、ウォークスルーは、玄関から収納スペースを通り抜けて室内へ入ることが出来るので生活動線が楽になることでしょう。
解決④リビング内に階段を設置する
悩み④コミュニケーション不足が心配
家族のコミュニケーション不足を予防するには、リビング内に階段を設置することをおすすめします。
必然的にリビングに入る環境を作ることで、子どもの帰宅や外出を把握する事が可能です。そのため、毎日顔を合わせるので会話が増え家族の絆も深まることでしょう。
解決⑤バリアフリーを意識する
悩み⑤老後にも快適な間取りがいい
老後の生活が心配な方は、家の中をバリアフリー化にすると将来的に快適な生活を送りやすくなります。
例えば、部屋の段差をなくしたり、手すりを設置するなどの工夫をするといいでしょう。
バリアフリー化は老後だけでなく子どもにも優しい設計なことが多いためおすすめです。
長く使うからこそ、今だけでなく未来を考えた住まい選びをしましょう。
家事・育児がしやすくなるアイディア5選
家事や育児が楽になるには、無駄な行動や手間を減らすことがいちばんの近道です。
部屋に取り入れると家事や育児がしやすくなる、子育て世代に人気のアイディアは以下の通りです。
・ウォークインシューズクローゼット
・ランドリールーム
・ウォークインクローゼット
・スライドドア
・パントリー
下記で詳しくご紹介します。
ウォークインシューズクローゼット
近年人気を集めているのが、玄関に設置するクローゼットです。
外で遊んだおもちゃなどをクローゼットにしまえるため、玄関をきれいに保つことができるでしょう。
また、上着をそのまま玄関に収納できるスペースを作ることで、花粉やウイルス対策もできるためおすすめです。
ランドリールーム
洗濯物を干したり、畳んだりできる家事スペースです。
洗濯に関する家事が一部屋で行えるため、家事効率がぐっと上がります。
ランドリールームを設けることで、重たい洗濯物を2階のベランダまで持って往復する必要がなくなるためおすすめです。
ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットは定番になりつつある収納スペースです。
衣替えが一括で出来る広さで、めんどうな衣類の入れ替えが楽になります。
また、広いクローゼットであれば洗濯物を畳む手間なく、ハンガーのまま収納することが可能。
スライドドア
小さな子どもがいる家庭には、スライドドアがおすすめです。
ゆっくりと扉が閉まる機能があるため、子どもが指を挟めてしまう心配を減らすことが出来ます。
また簡単に開け閉めが出来るので、子どもからお年寄りにも優しい造りです。
パントリー
パントリーは、食材などを保存する時に活用できるスペースです。
収納場所が少ないと置く場所がないためまとめ買いをしたくてもできないことがあるでしょう。
パントリーを設置すれば、ストック用に購入したものもすっきり収納する事ができます。
家事・育児がしやすいおすすめの動線
前述したように、家事や育児をしやすくするには動線を意識することが重要です。
どのような動線が必要なのかは、普段の自身の生活を思い返してみましょう。
毎日行う家事に無駄な動きがあれば、そこに至るまでの動線を工夫することで効率良く家事を行えます。取り入れるべきおすすめの動線は以下の5つです。
・洗濯動線
・掃除動線
・来客動線
・料理動線
・衛生動線
それぞれ下記で詳しく解説します。
洗濯動線
洗濯に関する家事は、「洗う」「干す」「たたむ」「しまう」までを指します。
工程の多い家事は、なるべく同じ部屋で済むように意識すると効率的です。
洗濯機のあるランドリールームのそばに物干し竿があると移動がスムーズになります。
さらに、ランドリールームに収納スペースがあればたたんでしまうことも出来るため、一部屋ですべて行えて何度も往復する必要がなくなるでしょう。
また、近年では家事室を取り入れるケースも多いです。
室内干しをする家庭におすすめの部屋で、家事室で「干す」「たたむ」が可能になります。アイロンがけなどが出来るスペースを作ることで、アイロン台を出して持ち出す動作がなくなったりとメリットが多い方法です。
方法は様々なので、自分に合った一番効率的な洗濯動線を意識して考えてみましょう。
掃除動線
掃除に関する家事で意識したいのが、掃除機をかける「ルート」です。
「ルート」とは、掃除機のスタートとゴールを行き止まりがなく効率的に掃除が出来る道順を指します。
家の中を一筆書きしたようなルートで掃除が出来れば、無駄な動きを減らすことが出来るでしょう。
ゴールの先がゴミ捨て場であれば、集めたゴミを気持ちよく捨てることが出来てさらに効率アップです。
また、掃除をしたいところの近くには掃除用具を備えておくことで家事が楽になります。
例えば、トイレの掃除用具はトイレの中に置いておくことですぐに掃除に取り掛かることが可能です。
この方法であれば、掃除用具を取りに行く手間が省けるうえに家を清潔に保つことも出来るでしょう。
来客動線
来客時に意識したいのが、リビングや客間に通すまでに「プライベート空間」を感じさせない動線をつくることです。
まず、玄関を家族用と来客用で分けることですっきりとした印象を与えることが出来ます。靴の散らかりなどを隠す仕切りをつけてファミリー玄関を設けましょう。
また、部屋に入るまでに脱衣所の脱いだ服や室内干しが見えないような動線意識も大切です。
「プライベート空間」が丸見えだと嫌がる方もいるため、来客時の動きを想定して配置を考える必要があります。
とはいえ、来客の頻度などによって配慮する優先順位は変わるため家族とよく相談して検討しましょう。
料理動線
キッチンでは、「取り出す」「切る」「洗う」「調理する」「配膳する」が基本的な動線です。
毎日作る料理の際も、動線を意識することで無駄な動きを減らし短時間で作ることができます。
キッチンでの動線に必要なのが、シンク・コンロ・冷蔵庫のワークトライアングルです。
3箇所を線で結んだときに三角形になることからこの様に呼ばれます。
一直線上に動線を作るより、三角形にした方が無駄な動きを省くことが可能です。
衛生動線
衛生動線とは、トイレや浴室、洗面所などに行くまでの通り道です。
水回りは1箇所に集約させることで効率よく動けます。
例えば、水回りが離れていると朝の忙しい時間帯に廊下が混雑してストレスを感じることがあるかもしれません。
また、トイレの間取りは多くの方が悩むポイントです。
プライバシーを守りたい空間でもあるため、設置位置は音や臭いが気にならない場所がいいと考える方が多いことでしょう。
トイレの位置や数は家庭によって変わります。
水回りを一括りで考えたとき、どのような動線が1番自宅の効率が上がるのかを想定しましょう。
まとめ
家事や育児がしやすい家は、どれだけ手間や行動を最小限に抑えられるかで大きく変わります。
まずは、家事がどのように大変だと思うのか家の中での行動を思い返してみることが必要です。
家事の中での悩みがはっきりしたら、改善方法を見つけましょう。
改善方法のなかでも家事をスムーズに進めるには、生活動線を意識することはとても重要になります。
例えば洗濯や掃除、料理など毎日行う家事は、何度も行ったり来たりせずに効率よく行えることが理想です。
自分がどの部屋を多く利用し、どうなっていたら楽になるのかを想定して間取りを決めましょう。
また考えるだけでは想像が難しいため、実際にモデルルームなどに足を運び体験してみることをおすすめします。
毎日の忙しい日々を少しでも落ち着いた住宅にするため、快適な住まいにしていきましょう。