家に住むとさまざまなコストがかかります。
長く住むことになる家ですから、少しでもコストを抑えて生活していきたいですよね。
本記事では、家にかかるランニングコストについて、イニシャルコストとの比較や考え方、家にかかるランニングコストの内容と、ランニングコストを抑えるためのポイントをご紹介します。
目次
イニシャルコストとランニングコストの概要と考え方
そもそも、ランニングコストとはどういったものなのでしょうか。
ここでは、対称的なイニシャルコストと合わせて確認していきましょう。
イニシャルコストとは
イニシャルコストとは、初期費用のことです。
家を購入する際には、家の購入に要の他に、金融機関に支払う保証料や保険料、登記費用、火災保険料などを最初に支払う必要があります。
ランニングコストとは
ランニングコストとは、継続的にかかる費用のことです。
家に関していえば、修繕費や各種税金、光熱費などが挙げられるでしょう。
イニシャルコストとランニングコストの考え方
家の購入に際して、イニシャルコストとランニングコストはトータルで考えることが大切です。
例えば、火災保険などは保険料をあらかじめ一括で払うといったことが可能です。
プランによっては、先に数年分支払うことで総額を安く抑えられるケースがあります。
先にまとめて支払った方がよいのか、家に住んだ後に継続的に支払っていくのがいいのかについては慎重に判断したほうがよいでしょう。
家を建てるときに用意できる資金には上限があります。
イニシャルコストとして支払った方がお得だとしても、現実的に資金を用意できないということも考えられます。
また、家のランニングコストについては、例えば外壁の性能を高めることで光熱費を抑えることができるといったケースもあるでしょう。
こうしたことを、家の費用について考えるときは、こうしたことを総合的に考えていくことが大切です。
家にかかるランニングコストにはどんなものがある?
家にかかるランニングコストには以下のようなものがあります。
・修繕費
・固定資産税と都市計画税
・火災保険料
・団体信用生命保険料
・水道光熱費
・(マンションの場合)管理費や修繕積立金
それぞれ見ていきましょう。
修繕費
家や設備の修繕費用です。
家に住むと少しずつ劣化していくため、必要に応じて補修を行う必要があります。
実際にどの程度の費用がかかるかは、家によって異なりますが、30
また、家を建てるときに注意しておきたいのが気密性や外壁のメンテナンス性能です。
窓や玄関などのグレードや、家の構造などによって気密性が異なりますが、気密性の低い住宅だと建物の構造内部に湿気が入り、建物が早くダメになってしまうといった危険性があります。
また、外壁は10年ごとに塗装が必要なものから、原則、半永久的にメンテナンスしなくてよいものもあります。
こうした、気密性や外壁のメンテナンス性能については、性能を高めるごとにイニシャルコストがかかってしまうのが一般的です。
一方で、ランニングコストを抑えることにつながりやすいため、慎重に判断することが求められるでしょう。
固定資産税と都市計画税
土地と建物の所有者には、毎年固定資産税が課されます。
さらに、市街化区域内になる場合には都市計画税も課されます。
これらは、固定資産税評価額に応じて定められ、毎年どの程度の費用がかかるかはある程度想定しやすいものです。
家を買うときには、あらかじめどの程度の固定資産税・都市計画税がかかるかを計算しておくことが大切だといえるでしょう。
火災保険料
火災保険に加入したときに支払う必要がある保険料です。
住宅ローンを利用する際には、火災保険に加入することが条件とされることが一般的であり、ほとんどの方が火災保険に加入することになるでしょう。
火災保険は毎年保険料を支払うものや、数年間分まとめて支払うものがありますが、長期間一括でまとめて支払うことで費用を安くできるケースがあります。
団体信用生命保険料
団体信用生命保険は、住宅ローンの加入と合わせて加入できる生命保険です。
住宅ローンの返済中に、債務者が死亡した場合にローンの残債をゼロにするといったことができます。
団体信用生命保険には、死亡だけでなくガンに罹患したときに適用できるといったものもあり、保障が手厚くなるほど保険料が高くなります。
こうした、割り増し分の保険料については、住宅ローンの金利に上乗せする形で支払うタイプが多いです。
水道光熱費
水道代や電気代、ガス代などの費用です。
オール電化住宅にすれば、イニシャルコストが高くなり、電気代は若干上がりますが、ガス代は不要となります。
特に都市ガスの通っていないエリアだと、プロパンガスではランニングコストが高くなってしまいやすいため、オール電化住宅の方がお得になりやすいでしょう。
また、窓や外壁、玄関、断熱材などを断熱性能の高い家にすれば、イニシャルコストは高くなりますが、ランニングコストを抑えることが可能です。
(マンションの場合)管理費や修繕積立金
マンションの場合は、管理費や修繕積立金といったランニングコストがかかります。
一方で、建物全体の修繕はマンションの管理組合が行うため、戸建てと比べると修繕費を安く抑えることができます。
家にかかるランニングコストを抑える6つのポイント
ランニングコストを抑えるためには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
・オール電化住宅にする
・家の断熱性や気密性を高める
・間取りをシンプルにする
・メンテナンスフリーの設備を導入する
・省エネ性能の高い家電を導入する
・節水性能の高い水回りを採用する
・太陽光発電システムを導入する
それぞれ解説します。
オール電化住宅にする
オール電化住宅にすることでガス代が不要となります。
また、オール電化にして、深夜帯の電気代が安くなるプランに変更することで、電気代を安く抑えやすくなります。
特に昼間に仕事や学校に出ていて、家であまり電気を利用しないという方におすすめだといえるでしょう。
家の断熱性や気密性を高める
家の断熱性や気密性を高めることで、家の中の温度が外気温の影響を受けにくくなります。
結果として、真夏や真冬の冷暖房の利用を抑えることができ、電気代の節約につなげることができるのです。
また、気密性能を高める過程で建物躯体内部に湿気が入り込むことを抑えることができれば、建物内部が早く腐食するといったことを防ぐことにつながります。
結果として、修繕費を安く抑えることにつながるでしょう。
間取りをシンプルにする
家の間取りも重要なポイントです。
例えば、天井を吹き抜けにすると冷暖房の効率は下がってしまいます。
また、凸凹した間取りにしてしまうと、それだけ外壁の面積が大きくなってしまい、外気温の影響を受けやすくなってしまいます。
同じ面積であれば、正方形に近い形の方が外壁の面積を小さくすることが可能です。
メンテナンスフリーの設備を導入する
設備は家を建てた後に定期的にメンテナンスする必要がありますが、素材によっては半永久的にメンテナンス不要になるメンテナンスフリーにできるものもあります。
代表的なものが外壁材や屋根材です。
外壁や屋根は外気に接していることもあり、一般的な素材だと8~10年程度で塗り替えや補修をする必要があります。
しかし、素材によっては半永久的に補修しなくてもよいものもあります。
こうした素材はイニシャルコストが高くなってしまうのが一般的ですが、ランニングコストを抑えた方が長期的に見るとお得になることも多いため、検討してみるとよいでしょう。
省エネ性能の高い家電を導入する
冷暖房効率の良い冷暖房など、省エネ性能の高い家電を導入することで、ランニングコストを抑えることにつながります。
こちらも、省エネ性能の高い家電の方がイニシャルコストが高くなるのが一般的なので、長期的に見てコストを安く抑えるといった視点が重要です。
節水性能の高い水回りを採用する
トイレやお風呂のシャワーなど、節水性能の高い設備を採用することで、水道代を抑えることができるでしょう。
トイレやお風呂は毎日利用することなので、1回の効果は小さくとも、トータルで見ると大きな差がつきやすいといえます。
太陽光発電システムを導入する
太陽光発電システムを導入することで、家の中で利用する電力を太陽光から作った電力で賄うことが可能となります。
特に、オール電化住宅でお昼の電気代が高く、深夜の電気代が安いプランを選んでおけば、電気代の高い時間帯に、太陽光で発電した電力を利用できるため、よりお得になりやすいです。
さらに、太陽光発電システムを導入して、家の中で使う電力より、太陽光発電システムで使った電力が大きくなれば、発電した電力を売ることが可能になります。
この点も、ランニングコストを抑えることにつながるでしょう。
当然、太陽光発電システムを搭載するには大きな費用が必要になるため、増えるイニシャルコストと減るランニングコストのバランスをシミュレーションしたうえで導入を検討することが大切です。
まとめ
ランニングコストについて、イニシャルコストとの比較や、具体的なランニングコストの内容、またランニングコストを抑えるためのポイントをご紹介しました。
家は数十年など、長く住むことを前提に購入するものです。
本記事でご紹介した、ランニングコストを抑えるためのポイントを実施することで、トータルで大きな金額を削減できるはずです。
ランニングコストを安く抑えたいと考えている方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。