ハザードマップの種類と内容の見方

2024年早々、北陸地方を大きな地震が襲ったことからも分かるように、日本は自然災害が多い国です。

世界で発生しているマグニチュード6以上の地震の20.8%が日本で起きており、かつ世界の災害被害額の18.3%が日本で計上されている統計からも、日本は「災害大国」です。

そこでハザードマップです。

いつ起きるか分からない自然災害への備えとして、ハザードマップが策定されています。

このページではハザードマップの種類や内容、見方を詳しく解説します。

※参照:内閣府防災情報

 

ハザードマップとは?

ハザードマップとは、自然災害による被害軽減・防災対策を目的としたものです。

住まいの地域の災害リスクやその種類、避難方法や場所を可視化した地図を市町村が作成しています。

行政が作成している確かな情報は、いざ・もしもの時の行動を示している重要な情報です。

また、既に住んでいる方だけが参考にするのではなく、これからその土地への移住を検討している人にも有意義な情報です。

ハザードマップでは、想定される被害が記載されています。

例えばマイホームをと考えた時、取得予定地のハザードマップを確認することで、災害リスクの高い場所なのか、安全性の高い場所なのかが分かります。

 

ハザードマップの種類

ハザードマップには、下記の2種類が用意されています。

・重ねるハザードマップ
わがまちハザードマップ

それぞれ異なる特徴を持つハザードマップについて、詳しく紹介します。

 

重ねるハザードマップ

重ねるハザードマップとは、国土交通省が提供しているハザードマップです。

洪水や津波など想定されるリスクや防災情報を、航空写真・地図を重ねて表示できます。

災害リスクの高い場所を感覚的に理解できる点に加え、ピンポイントで地域を選ぶことで、想定されるリスクを確認できます。

そのため、住んでいる地域や、購入を予定している土地のリスクをピンポイントで確認できます。

重ねるハザードマップはパソコン・スマートフォンのいずれからもチェック可能です。

災害時にはインターネット通信が遮断される可能性もあるため、自宅や会社近辺、頻繁に足を運ぶ場所のスクリーンショットを撮影しておくと、オフラインでも確認できます。

 

わがまちハザードマップ

国土交通省提供の重ねるハザードマップに対し、わがまちハザードマップは各自治体が作成したものです。

市町村単位での災害リスクの確認が可能です。

自治体単位で作成されていることから、自治体によって掲載されている情報が異なり、オフラインでも利用できるようPDFファイルにて提供している自治体もあります。

こちらもいざ・もしもに備えてオフラインでも使用できるよう、PDFファイル、あるいはスクショを取っておくとよいでしょう。

 

オフラインで使用できるようにしておこう

重ねるハザードマップ・わがまちハザードマップのいずれもオンライン上で提供されています。

通信可能な状況であれば問題ありませんが、災害時には通信そのものが行えなくなる可能性もあります。

そのため、スクショでの保存やダウンロードした画像を印刷し、紙で保存しておくのもよいでしょう。

災害時には通信が遮断されるリスクだけではなく、停電リスクもあります。

そのような時、スクショや紙で保存した情報は、電池消費を抑えることにもつながります。

 

ハザードマップで確認できる災害の種類

ハザードマップで確認できる情報の一つが災害の種類です。

「自然災害」の種類も様々です。海に囲まれている島国は、国土の大半が山で、さらにはそこから河川も流れています。

発生リスクのある自然災害の多さもまた、日本特有のものですが、ハザードマップには、想定されてる災害が掲載されているため、住まいの地域に発生する可能性のある自然災害を把握できます。

 

洪水・氾濫(はんらん)

台風や大雨で決壊した過去がある堤防、洪水・氾濫による浸水リスクや洪水発生時の緊急避難場所が掲載されています。

近年はハザードマップ以上の被害が生じる洪水・氾濫が増えつつあることから、ハザードマップを参考に、さらなる被害の予測・対応が求められています。

 

地震

地震ハザードマップでは、地震の被害状況が想定されています。

地盤や断層に基づく家屋全壊リスクを示しています。既に住まいの方は、地震対策はもちろんですが、状況次第では転居等も考慮するなど、地震と向き合うことが求められます。

また、住人だけこれから住まいを考えている人にとっても貴重な情報です。

「お手頃価格の土地だと思ったら全壊リスクが高い土地だった」といったケースもあります。

検討中の土地の倒壊リスク・危険度が高い場合、改めて検討した方が良いでしょう。

 

津波

東日本大震災を経て、津波の脅威が浸透しました。

津波ハザードマップは、そんな津波リスクが掲載されています。

沿岸部が高くなっていますが、標高や地形に基づいて作成されているため、沿岸部以外のリスクも記載されています。

 

高潮

台風や低気圧の影響で発生する高波・うねりにて河川が氾濫する高潮のハザードマップです。

浸水が予想される地域、被害の大きさ、高潮発生時の緊急避難場所が掲載されています。

日本は台風も多々発生するため、高潮の被害想定地域は広く、大きな被害を想定しているエリアも多いです。

 

内水

雨天時、排水管が排出できなかった際に発生する浸水被害です。

近年は線状降水帯など、短時間で急激な雨量が発生するケースが増えています。

そのため、割合としては稀ではありますがハザードマップ以上の被害が発生するケースもあります。

 

土砂災害

土砂災害が起きた場所やリスクが想定される区域だけではなく、緊急避難場所が掲載されています。

土砂災害は、山で発生するとは限りません。

地盤の弱い場所、盛土のある場所でも発生します。

そのため、土地探し中の方は土砂災害ハザードマップもチェックしておきましょう。

「山から遠い=土砂災害リスクが無い」とは言い切れません。

 

火山や宅地

大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流等のリスクのある火山ハザードマップ、大規模盛土造成地の変動予測に基づく大雨発生時の被害想定地域を記載した宅地ハザードマップもあります。

谷や沢等、埋め立て造成地は地震が発生した際、地滑りやがけ崩れリスクがあるため、監視・予測変動が重要です。

 

道路災害情報

道路冠水想定箇所、事前通行規制区間及び緊急輸送道路に関する情報です。

道路は平常時は市民の「道」として機能していますが、緊急時には道路にも被害が及ぶケースもあれば、救助活動のための道としても活用します。

それらを想定したハザードマップが道路災害情報ハザードマップです。

 

ハザードマップを確認する方法

ハザードマップには様々な種類があることが分かっていただけたのではないでしょうか。

しかし、ハザードマップは確認してこそです。

ハザードマップを確認する方法は、主に下記の3つが挙げられます。

・ポータルサイト
市区町村役場
防災アプリ

それぞれについて、詳しく紹介します。

 

ハザードマップポータルサイト

国土交通省が「ハザードマップポータルサイト」を提供しています。

先程紹介した重ねるハザードマップとわがまちハザードマップそれぞれ閲覧可能なので、ポータルサイトを通して調べたい場所の災害情報・リスクを確認できます。

 

市区町村役場

市区町村の役場窓口にて、ハザードマップを提供しています。

こちらは自治体のホームページで入手できるものと同じではありますが、インターネットが苦手な方にはこちらの方法が確実です。

 

防災アプリ

スマートフォンのアプリには、災害情報共有システム「Lアラート」の情報を活用したものがあります。

避難場所情報や避難指示・勧告など、災害発生時にも頼りになる情報を発信しています。

無料で利用できるものなので、いざにそなえてダウンロード・インストールしておくとよいでしょう。

 

ハザードマップの確認すべきポイントの見方

ハザードマップには多くの情報が掲載されています。

そのため、見方が分からないという声も聞かれます。

そこで、ハザードマップで確認するべき4つのポイントの見方を見ていくとしましょう。

 

地形

周囲よりも低い土地は、洪水リスクが高いです。

また、高い土地からの土砂被害も想定されます。

高いか低いかではなく「周囲と比べて高いか低いか」を確認しておきましょう。

 

災害の危険性

ハザードマップは過去の災害被害から、災害発生時の被害を可視化したものです。

過去の被害を知るだけでも、どのような災害リスクが潜んでいる土地なのかが分かります。

また、過去の被害を把握しておくことで、実際に同じ災害が起きた際に何をすべきなのか、迅速に行動できます。

 

避難先

災害が発生した際、「どこに避難するのか」も大切です。

ハザードマップには避難先も記載されています。

避難先とは、安全な場所であるとともに、行政からの支援等が行われる場所でもあるため、重要な場所です。

ただし、避難先は災害の種類によって異なる自治体が多いです。

どこか一か所だけを把握しておくのではなく、災害の種類に応じた避難先を把握しておきましょう。

 

避難経路

ハザードマップでは、避難先までの経路も確認できます。

災害発生時には、避難先までのアクセスも大切です。

経路が一つだけであれば選択肢はありませんが、複数ある場合には安全性の高さやその時の状況を踏まえて判断する必要があります。

また、避難経路も災害の種類によって異なるため、災害に応じた避難経路を把握しておきましょう。

 

身近な地域の災害リスク

住んでいるエリアだけではなく、周辺地域の災害リスクを調べておくこともおすすめします。

なぜなら、災害はピンポイントで起きるものではなく、広域に被害を及ぼすものだからです。

例えば隣街、あるいはその隣町で災害被害が生じた際には、自らの街も何らかの影響を受ける可能性があります。

そのため、周辺地域の災害リスクや避難経路を把握しておくことも

 

ハザードマップの見方を覚えておくメリット

ハザードマップがあること、さらには見方を覚えておくことで得られるメリットは多々あります。

災害はいつ起こるか分からないものです。

そのため、ハザードマップの確認も「いずれ行う」「そのうち見ておく」と思っている人も多いですが、メリットも多いのですぐに確認しておきましょう。

 

共通認識が生まれる

ハザードマップはいわば「災害時の共通ルール」としての特性も備えています。

災害時に懸念されることは多々ありますが、その一つに災害時の混乱です。

何が起きているのか分からないため、パニックに陥る人が珍しくありません。

しかしハザードマップを確認しておくことで、「災害時には何をするのか」がある程度分かります。

そしてハザードマップは多くの人が見ています。

ハザードマップを見た人同士で、災害時に何をすべきなのかの共通認識が生まれるため、混乱・パニックに陥りにくい環境をつくります。

 

家族の集合場所として

災害は家族でいる時に起こるとは限りません。

家族がバラバラの時に起きる可能性もあります。

そのような時でも、ハザードマップで避難所がどこにあるのかを確認しておくことで、避難所にて合流し、家族の安否を確認できます。

もしもハザードマップを確認しなかった場合、避難所がどこにあるのかを確認できないため、家族で「集合」することができません。

 

土地選びの判断材料となる

ハザードマップの見方を覚えることで、土地探し・土地選びの際の判断材料としても活用できます。

災害の多い土地、あるいは大きな被害が予想される土地よりも、災害が少なく、被害が軽微な土地の方が資産を守ることに繋がります。

土地にせよ家にせよ決して安い買い物ではありません。

自然災害が起きると、資産を失う可能性もあります。リスクヘッジの観点からも、ハザードマップの確認は重要です。

 

まとめ

ハザードマップの種類・内容や見方を紹介しました。

日本は自然災害が多い国だからこそ、自然災害への備えは重要ですが、備えるための情報こそ、ハザードマップがもたらしてくれるものです。

災害への備えとしてはもちろんですが、これからマイホームをと考えている人もハザードマップの見方を覚え、確認しておきましょう。

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