「家づくりに失敗したくない」「やってよかったと思えるのはどんな家?」
このように家づくりに失敗したくないと考えるのは当たり前のことのようにも思えます。
しかし、具体的に何が良くて悪いのかよく分からない方は多くいることでしょう。
そこで本記事では、実際に家を建てた経験のある先輩たちの不満やアドバイスをまとめました。
実例をもとに、自分に合った家づくりができるように参考にしてみてください。
完成した家が理想の家になり、作ってよかったと思える家になるよう取り組んでいきましょう。
目次
家づくりをした約20%の人が不満を持っている
国土交通省住宅局が調査した住宅の調査結果によると、新築を建てた人の18.8%が不満を持っていることが分かりました。
実際に家づくりをした先輩たちの声を聞くと、「作り直したい」と後悔している話をよく聞きます。
昭和53年に調査された結果と比べると不満率は減少してきました。
しかし、技術や情報収集が発達した今でも不満を持っているということは簡単に理想の家づくりをすることが難しいのではないでしょうか。
間取りなどを決める際は失敗を防ぐために慎重に吟味していくことが大切です。
家づくりをした先輩たちの後悔の声を紹介
実際に家づくりをした先輩たちにも後悔エピソードがあります。
どのような点に「失敗した」と感じたのか、具体的に以下で紹介するので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
動線を考えた間取りにすればよかった
生活するうえでよく使う動線が悪いと、住みにくいと感じる方が多いようです。
動線には、家事動線や生活動線、来客動線などがあります。
間取りで意識するべき点は、家事や掃除がスムーズに行える動線、来客時に生活感を見せない動線などです。
このように、動線に注意した家づくりは生活がより快適になることでしょう。
家の中でよく通る場所や、家族の動きの流れなどを知っておくと快適な家づくりの近道になります。家の間取りを書いて、歩くルートを線で表す方法は、目で見てよくわかるためおすすめです。
コンセントの数が足りなかった
コンセントの配置や数まで考えず、足りなかったと後悔する方も多いコンセント問題。
足りなければタコ足配線にするしか方法はないですが、危険なためできれば避けたいです。
ひと部屋に2つあれば足りると思っても、家具を置いて生活をしていると、「足りない!」となる場合があります。
コンセントが足りない場合の増設には、費用もかかるため間取りを考える際はコンセントの数もしっかり考えましょう。
収納スペースがせまかった
クローゼットや納戸などのサイズは、事前にしっかり収納量を把握しておくことが大切です。
実際に収納してみたら、スペースが狭くて全部入らなかったといったケースがあります。思っているよりも、荷物の量は意外と多いものです。
また、収納スペースの確保は大切ですが、動線を意識した収納場所にすると使い勝手も良くなり片付けがしやすいスペースになるでしょう。
キッチンのデザインしか考えてなかった
キッチンは、アイランドやL字など様々なデザインがあります。
おしゃれなアイランドは人気の高いデザインですが、大きすぎて掃除が大変な点や圧迫感を感じるといった理由で後悔している方が多いようです。
デザインはもちろん大事ですが、使いやすさや素材などにも注目してみましょう。
部屋の数をしっかり考えればよかった
部屋の数を多くするのか、一部屋を広くするのかで意見が分かれる間取り問題。
部屋が多いとプライベート空間が出来るため、集中力を高めたい方におすすめです。
また反対に一部屋が広いと開放感があり家族みんなでゆったりと過ごすことができるでしょう。
広い部屋は空調が効きにくいといったデメリットがありますが、部屋数が多いと空調に必要な費用がかかります。
どちらが生活に合っているかを家族とよく相談して決めていきましょう。
バリアフリーにすればよかった
家の中の段差をなくして、老後や小さな子どもにも過ごしやすい家にすれば良かったと後悔する理由がよくあがっています。
ロフトや屋根裏など、おしゃれな家づくりにこだわりたい気持ちは分かりますが、景観だけに注目すると快適な家にならないかもしれません。
老後はまだ先の話と思っていても、体力のある今のうちに今後のことを決めておくことは大切です。
突然、怪我をして車椅子を使うかもしれません。
何が起こるか分からないため先のことを考えることは簡単ではありませんが、予想を立てることは必要です。
長く使う家だからこそ、デザインや流行だけに捉われず慎重に考えていきましょう。
防音対策をすればよかった
意外と多いのが、防音対策をすればよかったという声です。
小さなお子様のいる家庭では、家の中からの声や音が近所や隣の家にまで響いていないか心配になることがあることでしょう。
また、外の工事の音や子どもたちの声も意外と気になってしまうものです。
コストを抑えたい方には向いていませんが、防音対策をすることで快適に過ごすことが出来るでしょう。
家事部屋を作ればよかった
家事効率が一気にあがる、家事部屋がほしかったと思う方がいるようです。
これは実際に暮らしてみないと分からないことが多く後悔しやすい理由のひとつといえるでしょう。
家事部屋とは、洗濯物やアイロンがけなどの家事を1つの部屋で行なえる便利な空間のことです。
家事部屋はなくても仕事はできますが、あったほうがスムーズに進めることができるでしょう。
もし部屋が作れない場合は、家事部屋でなくても近いものでスペースの確保が出来ないか確認してみてください。
家づくりでやって良かったこと実例15選
家づくりでやって良かったと思ったことをいくつか紹介します。
冷蔵庫はパントリーへ収納
冷蔵庫はキッチンの中でもひときわ存在感を感じさせる家電です。
生活感が出てしまうことが気になる方には、パントリーへ収納してしまうことをおすすめします。
一見、食材を取りに行くのがめんどうでは?と思いますが、すぐ横に設置すれば使いやすさは変わりません。
見せない収納術でキッチンもスッキリしておしゃれなキッチンになることでしょう。
玄関は家族用と来客用で分ける
玄関を家族用と来客用で分けることですっきりとした印象に。
玄関が片付かず散らかってしまい、急な来客時に困るといった声が挙がっています。
玄関は靴だけでなく、子供のおもちゃやベビーカーなど大きな荷物を置いておく方が多いです。
しかし玄関に置くと物が多く生活感が出てしまいます。
このような時は、玄関を家族用と来客用で分けることをおすすめします。
家族側にシューズクローゼットを兼用に使用することで動線をしっかり繋いでくれます。
来客用は物を置かずにスッキリとした清潔感のある玄関になることでしょう。
洗面所と脱衣所は分ける
生活感を出さないように意識するなら、洗面所と脱衣所を分けることをおすすめします。
来客時にリビングまでお通しする際、生活感が丸見えだと嫌な気持ちになる方もいることでしょう。
気兼ねなく洗面台を使ってもらえるよう、清潔感を意識した家づくりをしましょう。
中庭に子供の遊び場を設ける
子供が外で遊べる中庭は家族みんなが喜ぶスペースです。
外から中が見えないように壁を工夫すれば、周りの目を気にせず遊ぶことができます。
家族でプールやBBQをしたり、天気のいい日は日向ぼっこをしたり自由に使えておすすめです。
また、子供が家を離れた時も夫婦の時間を中庭でゆったりと過ごすこともできるでしょう。日差しがたっぷりと入る中庭で家族とのんびりとした時間を作れる場所です。
テラスはタイルを使う
テラスというと、ウッドデッキを選ぶ方がいますが実はタイルにして良かったと感じる方も多いようです。
ウッドデッキは雨が降ると湿気で腐ってしまったり痛んでしまいますが、タイルであれば痛むことがありません。
さらにタイルであれば、汚れてしまっても水で流すだけできれいになるためメンテナンスが楽です。
キッチンはカウンター収納にする
キッチンは見せる収納を意識してみましょう。
キッチン用品は細かいものが多く、つい棚の中に隠してしまってはいませんか?
あえてカウンターに並べて収納することで、取り出しやすく見栄えもすっきりとしています。
物が多すぎると汚い印象を持ちますが、お皿やコップなど統一感のあるもので並べることでおしゃれに見せる収納が可能になるでしょう。
家事動線を短くする
家事を効率的に行えるように家事動線を短くする間取りにしましょう。
家事動線とは、料理や洗濯、掃除など毎日行う家事の家の中でのルートを指します。
家事動線が長いと何度も同じところを通ることになってスムーズに家事が行えません。
効率的に家事を行えるように、出来るだけ短いルートで一度でいくつもの家事をこなせるくらいの動線を意識しましょう。
例えば、洗濯機のある脱衣所の隣にランドリールームを設けると、洗濯した服をそのまま2階まで持ち運ぶ必要がなくなります。
なるべく負担が少なくなる動線を考えることによって快適な暮らしへと近づくことが出来るのでおすすめです。
玄関からパントリーへ直行間取りにする
玄関からパントリーに行くまでの距離を短くしましょう。
前述した家事動線にも繋がる話ですが、重たい食材をわざわざ離れたパントリーまで持ち運ぶことは効率的ではありません。
玄関から直行できる間取りにすることで少ない負担で移動が可能なので家事がぐんと楽になります。
住宅相談員であれば提案してくれることかと思いますが、自分のライフスタイルをよく考え自分に合った間取りにすることが家事を楽にする一番の鍵です。
リビングにスキップフロアを設ける
スキップフロアは近年人気の高い空間節約術です。
スキップフロアとは、1つの階層に複数の高さのフロアが設けられた間取りのことをいいます。
2階に行くまでの階段にちょっとしたスペースを設けたり、平屋で2階がない分リビングに小さな子ども部屋のように設けたりと空間を有効的に活用できることでしょう。
バリアフリーを意識した家でも、3段ほどの階段でスペースが確保できるので老後の大変な上り下りも少ない負担で行えておすすめです。
書斎に小窓を設置する
家族の行動が確認できる小窓を設置することでいつでも家族の気配を感じることが出来ます。
コロナが原因でリモートワークが増え、書斎が必要になる方が多くなりました。
子供がいる中で別室に引きこもるわけにもいかないため、書斎に小窓をつけることをおすすめします。
小窓ではなくても家族の存在が少しでも見えることで安心して作業が出来ることでしょう。
クローゼットは大容量のウォークインにする
メインのクローゼットは大きく作りましょう。
注文住宅であればクローゼットのサイズまで自身で決めることが可能です。
大容量のクローゼットにすることで、実際に物を片付けたときに全部入りきらなかったといったことを防ぎます。
また、ウォークインクローゼットにすることで一目で物の配置が分かるようになるでしょう。
さらに、メイン寝室のクローゼットをリビングからも開け閉めが出来るようにすることで、取り出しの手間を省くことが可能です。
玄関横に洗面台を設置する
ウイルスを家の中に持ち込ませないことを理由に、玄関横に洗面台を設置する家は年々多くなっています。
様々な流行性感染症を防ぐため、家に入る前に手を洗ってもらえて風邪予防ができるのでおすすめです。
また、風邪予防だけでなく部屋の汚れ予防にも最適です。
小さなお子様は外でたくさん遊びたくさん汚して帰ってきます。
汚れた手で部屋の壁をぺたぺた触っては手形を付けてしまう例も多いため、きれいにしてから家に入れることも可能です。
手を洗うことが習慣化してきている現代にはあっても困らない間取りといえるでしょう。
リビングには断熱材をしっかり入れる
断熱材をしっかり入れた家は、真冬でも暖房の効きがよく部屋がすぐに暖まります。
寒い地域で取り入れているところが多いですが、実は夏も活躍してくれるのが断熱材です。
断熱材が熱を逃さないため、冬は暖かく夏は涼しくしてくれます。
暖房や冷房を使わなくても快適に過ごせることから、光熱費の削減にもつながることでしょう。
また断熱材は、結露の防止にも一役買っています。
断熱材が湿気を吸収してくれるため、カビやダニの発生を抑えてくれるメリット付きです。
そのため、家族の健康状態も良くしてくれるので取り入れることをおすすめします。
玄関には間接照明を採用する
玄関に間接照明を付けることで、洗練されたおしゃれな空間を演出することが可能になります。
玄関は人の出入りが一番多い場所なため、清潔感は大切にしたいところです。
玄関には、物はあまり置かずすっきりとした印象を与えましょう。
来客があった際もきれいな玄関はすてきなおもてなしともいえるため、こだわりを持つ方も多いようです。
間接照明は反射されたやわらかい光が雰囲気を出してくれるため人気の照明になっています。
外には玄関につながるガレージを設ける
車をよく使う家庭にあると便利なのが、玄関につながるガレージです。
車から降りてそのまま家の中に入ることが出来るため、雨が降っているときでも濡れずに済みます。
さらに車を動かせば、ガレージは庭として別の使い道もできるでしょう。
また、車が汚れにくいといったメリットもあります。
雪の日も車に積もることがないため、前の日に心配する必要がなくなりそうです。
ガレージの大きさは車が何台分かで大きく金額が変わり、設置には高い費用がかかるため、必要性やサイズ感は慎重に決めましょう。
まとめ
新築住宅を購入した約20%もの人が、何かしらの不満を持っています。
キッチンを対面にすれば良かった、中庭を作れば良かった、などやらなかった後悔の声が多いです。
とはいえ、憧れのテラスを作っても使わないのでは意味がありません。
本当に必要かどうかは、家族とよく相談して決めましょう。
具体的にどのように必要かを確かめることが大切です。
例えばテラスで、夏になったら家族でBBQをしたい、星空を見ながらお酒を飲みたいなど、やりたいことを明確にすることで必要かが分かってきます。
先輩たちの声を参考にして、自分なりの素敵な家づくりを目指しましょう。